神宮外苑でレッドブルF1がデモラン実施。史上初の2台走行で1万人のファンを湧かせる
2019年3月9日(土)18時23分 AUTOSPORT web

3月9日、ホンダF1の2019年シーズンキックオフイベントが行われ、『Red Bull Showrun Tokyo』と題してアストンマーティン・レッドブル・レーシングの2台によるデモランが行われた。
日本では2009年にデイビット・クルサードが神宮球場で、2011年にはセバスチャン・ブエミが横浜でデモランを行っている。だが東京の街の公道をF1マシンが走るのは初めてのことだ。さらに、2台のマシンがデモランを行うというのも史上初の試みで、まさにレッドブルとホンダのパートナーシップの船出を飾るにふさわしいイベントとなった。
会場となった神宮外苑のいちょう並木には、2台のF1マシンによるデモランを一目見ようと720mの特設コースを囲むように約1万人のファンが集まった。
デモランの前には『ヒーローラップ』という名目で、ピエール・ガスリーとマックス・フェルスタッペンがアストンマーティンの後部座席に乗り込み、下見を兼ねてコースを1往復した。
そしていよいよデモランへ。まずはガスリーが走り出し、コースを1往復。2往復目にはドーナツターンも披露し、一度ピットへ戻った。続いてフェルスタッペンは、ガスリーよりも速いスピードでコースを駆け抜けた。フェルスタッペンもガスリー同様にコースを2往復し、ドーナツターンを行いピットへ。この後にはデモランの終了を知らせるチェッカーが振られた。
ところがガスリーとフェルスタッペンはもう一度コースへ出て行き、集まったファンの前で再度ドーナツターンやバーンアウトを披露。本来の予定を超える走行を披露し、集まったファンを大いに湧かせた。
■世界初、大学構内にレッドブル・ホンダF1のピットを設置
ホンダF1の2019年シーズンキックオフイベント『2019 Honda F1 Kick Off』、レッドブル・ホンダによる『Red Bull Showrun Tokyo』の裏側で、実はもうひとつのプロジェクトが動いていた。
それが、青山学院大学の学生フォーミュラチームと体育会自動車部、レッドブル・ジャパン学生チームに所属する青学の学生である一色大地さんらによる、『世界最高峰F1チームと青山学院学生による知的交流』だ。
その内容は、今回のF1ショーランのために、レッドブルの仮設ピットを青学の構内に設置するというもの。またレッドブルのチームスタッフと学生の交流のためにワークショップが開かれ、世界最高峰のF1という舞台で戦うメカニックやエンジニアとのコミュニケーションの場が設けられた。
レッドブルは世界中でF1のショーランを行っているが、大学の構内にF1のピットを設置するというのは世界初の試みだった。
このワークショップにはレッドブル・ホンダ側からのスタッフ2名と、青学の卒業生で、現在ホンダのHRD Sakuraでパワーユニット開発に携わる久保哲宏さんの3名が参加。学生フォーミュラで活動する学生などからも積極的に質問が挙がり、盛り上がりをみせた。
その後はピットに移動して、ショーランで使用するF1マシンを間近で見学。2台置かれていたマシンのうちの1台はエンジンカウルが外されていたり、規制線などもなかったため、マシンに近づいて細かなところまで存分に観察することが可能だった。最後には実際にエンジンをかける『暖気』を行い、大学にF1ピットを設置するという世界初の試みが終了した。