プロコーチが「稼げる」と太鼓判 寺岡沙弥香の軸ブレ知らずな“ハンマー投げ”打法【注目ルーキーのスイング診断】
2025年3月13日(木)13時38分 ALBA Net
寺岡沙弥香はハンマー投げのような体の使い方で飛ばす(撮影:福田文平)
2025年の国内女子ツアールーキーのスイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回は昨年のプロテストでトップ合格を果たした寺岡沙弥香のスイングを深掘りしていく。
QTランキングは54位と、今季前半戦の出場試合数はやや限定的で、レギュラーツアーデビュー戦は推薦が決まっている「アクサレディス」(3月28〜30日)になる予定。限られたチャンスの中で好成績を残し、第1回リランキングで少しでも出場優先順位を上げることが目標となる。
そんな寺岡のスイングを見て石井は開口一番「稼げるスイングですね」と評価する。「アドレス時の肩と手元の二等辺三角形が、お腹の高さに上がるまでキープされているから上半身の回転で上げられています」。バックスイングで右ヒジが伸びている時間が長いため、手上げにならず肩が深く捻転している。
バックスイングの特長は他にも。「骨盤はブロックせずに、ハンマー投げのような動きでクラブを上げて回転を妨げない。“ナチュラル”な回転です」。バックスイングでは右ヒザが伸び、左ヒザは曲げながら体全体を回していく。下半身を止めて上半身だけネジろうとすると、軸ブレしやすい。陸上競技のハンマー投げのように腰と胸を一緒に動すことで、軸をキープしたままスムーズに回転できる。
トップから切り返しでは「シットダウン」の動きに注目。沈み込むことで伸びた右ヒザに角度が戻り、「左腕が地面と平行になったときに両足が踏ん張れていて、前傾が起き上がらないスイングにつながっている」。上体が伸びて手元が浮く“あおり打ち”では飛距離も方向性も安定しない。力が逃げないインパクトを作ることにより、沈み込んで蹴っていくパワーを余すことなくボールに伝えることができるのだ。
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。
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