半数のF1チームが「利益を上げている」とマクラーレンのブラウンCEO。リバティの買収が与えた影響を指摘

2024年3月18日(月)18時10分 AUTOSPORT web

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、すべてのF1チームの現在の価値は10億ポンド、つまり約12億ドル(約1789億円)を「優に超えている」と考えている。


 何十年にもわたって、F1は膨大なファンベースを持つ真にグローバルなスポーツへと進化してきた。2024年シーズンの終わりまでに、チームとドライバーは21カ国を訪問することになる。また近年のグランプリレースの持続的な成長とグローバルな魅力は、当然ながら参加チームに恩恵をもたらし、現在すべてのチームで健全な黒字経営が行われている。


 こうした要因の組み合わせにより、F1は非常に収益性が高く人気のあるビジネスになり、ひいては個々のチームの評価も高まった。これは、アルピーヌF1とアストンマーティンF1への最近の投資によって裏付けられた事実だ。昨年、ハリウッド俳優のライアン・レイノルズが率いる投資家コンソーシアムは、アルピーヌに2億ドル(約298億円)の出資を行い、チームの評価額は9億ドル(約1341億円)となった。最近では、アストンマーティンはが民間投資会社『Arctos Partners』に少数株式を売却したが、これによりチームの評価額は10億ドル(約1490億円)になったと伝えられている。

2024年F1第2戦サウジアラビアGP エステバン・オコン(アルピーヌ)
2024年F1第2戦サウジアラビアGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)


 先週ジェッダで開催された『Bloomberg』のイベントで、ブラウンは、現在ではすべてのチームの価値が10億ポンド(約1789億円)を「はるかに」上回っていると主張し、F1の商業権保有者であるリバティ・メディアが2016年に80億ドル(約1兆1924億円)でF1を買収して以来、F1に与えてきた影響について指摘した。


「グリッドの半分は利益を上げている」とブラウンは述べた。


「5年前はそうではなかった」


「リバティが望んでいることは、既存の10チームの価値を守ることだ。我々は、リバティ以前にチームが脱落していた状況の先にいる。今、リバティ以後の時代には、このスポーツに参入したいチームが並んでいる。したがってリバティは、いつ、どのようにチームに参入してほしいのか否かを、まさに考えているところだと思う」


 リバティは、既存のチームの価値を最大化しようと努めるなかで、保護主義的な姿勢をとっているため、大々的に報道されたアンドレッティ・グローバルによるグリッド参入の申請を拒否している。ただし、アンドレッティは将来のある時点で戦いに加わる努力を諦めていない。


 相対的に見ると、スポーツフランチャイズの世界において10億ドルは過大な評価額ではない。アメリカのNBAまたはNFLチームはその4倍から5倍と推定されている。ブラウンは、F1のテリトリーの拡大により、今後数年間で価値はさらに高まると考えている。また彼は、F1のシーズンを現在の制限である24レース以下に抑えつつ、新たな市場へのアクセスを可能にするためには、ローテーション制のレースが重要だと見ている。


「もう少しレースを増やす必要があるとしたら、アジアは重要な地域だと言える。参入すべき市場がもっとあるとしたら、それはアジア、インド、南アフリカでのレースになるだろう。そうすれば、我々は間違いなくグローバルな足跡を残すことができるだろう」

ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシング CEO)


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