前田大然、日本代表ではカタールW杯以来のCF先発起用も「前半のチャンスを決めていれば…」
2025年3月25日(火)23時39分 サッカーキング
前田大然はCFとしてゴールに迫ったが… [写真]=金田慎平
前節のバーレーン代表戦を2−0で制したことで、日本代表は最終予選の3試合を残して“史上最速”でワールドカップ出場権を勝ち獲った。今節はバーレーン代表戦からスターティングメンバーを6名変更して臨んだなか、ほとんどの時間帯でボールを保持しながらも、5バックで構えるサウジアラビア代表の守備に苦戦。前田を筆頭にゴールに迫る場面も作り出したが、90分間が終わってもゴールネットが揺れることはなく、結果はスコアレスドロー。グループCの首位通過こそ確定したものの、連勝は「3」でストップした。
開口一番、前田が口にしたのは「前半のチャンスを決めていれば、もっと大差で勝てた試合だと思います」という反省の弁。一方で試合の内容については、「相手も思ったよりも引いてきて、難しい試合だったかなと思います」とも語る。
これまでのサウジアラビア代表は4バックのシステムをメインしていたため、5バックで守りに重きを置くことはやや想定外でもあった。この意見はピッチに立っている選手も同様で、「もっとマンツーマンでガツガツくるのかなと思っていたのですが、その逆やったんで、多少の戸惑いはありました」と前田。ただし、「サウジはやっぱり強いチームですし、そういうチームが自分たちをリスペクトして、こういう戦いをしてくるというのは、日本代表がレベルアップしたということもであると思う」と自身の意見を発しつつも、「このような試合を勝たなければ、ワールドカップを優勝するのは難しい」と、目標から逆算するとまだまだ成長が必要だとの意見を口にした。
前田にとってこの試合最初の決定機は9分に訪れる。DF高井幸大(川崎フロンターレ)からの縦パスを起点に、MF田中碧(リーズ/イングランド)が前を向いてスルーパスを送ると、抜け出したのは前田。「ボールが外に流れたんで、ファーよりもニア上かなと思って蹴りました」との言葉どおりの一撃を放ったが、強烈なシュートは無常にも枠に嫌われた。前田は「その選択自体は悪くないと思うのですが、あそこを決め切る力が必要。自チームに帰って突き詰めていきたい」とさらなる成長を誓った。
続く19分には、「自分の良さはアグレッシブに行くところ」だという前田らしい、最終ラインへのプレスでチャンスを作り出す。ただし、うまくドリブルで持ち出せず、最後は苦し紛れの左足シュートとなってしまった。「自分で作ったチャンスで、ああいうのは大好物やったんですけど、ボールが思った以上に滑らなかった」と当該シーンを振り返った前田は、「僕のスタイル的には、あのようなチャンスは増えてくると思う」としつつも、「あれを何回決められるか」と唇を噛む。
これら2本の決定的を仕留められず、後半に入った74分にピッチを後にした前田。日本代表のCFとしてスターティングメンバーに入るのは、FIFAワールドカップカタール2022以来のことだった。今季、所属クラブのセルティックでは公式戦通算28得点、チャンピオンズリーグ(CL)でも4ゴールを奪うなど、波に乗っていることは間違いないが、サウジアラビア代表戦では目に見える結果を残すことはできず。前田は「正直、先発で出ようかサブで出ようが、自分の役割はそこまで変わらないんでね。チームのために戦いたいという思いではいました。勝てなかったことが残念です」と正直な感想を明かすと、6月シリーズに向けて次のような言葉を残している。
「自分の良さを出せた部分もありました。セルティックでは試合に出ていますし、(日本代表での)先発が久しぶりだから力みがあったとかは言い訳です。しっかりと自チームで結果を残して、6月に戻ってきたいです」
【動画】前田大然のポスト直撃シュート