「ひどい話だ」3戦15HR、長打率8割超え! ヤ軍を変える“常識破りのバット”に投手は反発! 「投手不利の可能性」に議論噴出

2025年3月31日(月)17時0分 ココカラネクスト

ゴールドシュミットも新型バットを使用するヤンキースナインのうちの一人だ。(C)Getty Images

 今季に開幕3連勝とロケットスタートを切ったヤンキース。彼らが常識破りの新型バットを使用していると米国で大きな話題となっている。

 米球界で話題沸騰となったのは、ジャズ・チゾムJr.やポール・ゴールドシュミット、コディ・ベリンジャーらヤンキースの複数選手が使用した「魚雷バット」と呼ばれる新型バットだ。通常のバットはグリップ部分の細くなった箇所以外、ヘッド部分まで均等の太さだが、魚雷バットのメーカーラベルが入っているグリップに近い部分が最も太くなり、ヘッド部分が細くなっている。

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 球団分析部門が研究し、元球団職員の物理学研究者が開発した同バットだが、選手の評価は上々。研究を先導し、球団に導入を持ち掛けたアーロン・リーンハート氏から直接レクチャーを受けたアンソニー・ボルピは「理にかなっている」と明言している。

 MLBも「違法ではない」と公式サイト上に明記するバットの効果は数字にも表れている。ブリュワーズとの開幕3連戦でヤンキース打線は、30球団断トツトップの15本塁打をマーク。さらに長打率.804、OPS1.231とすこぶる当たっているのだ。

 もっとも、対峙した投手にとっては「たまったもんじゃない」というのが本音だろう。実際、ブリュワーズの中継ぎ右腕のトレバー・メギルは、ニューヨークの日刊紙『New York Post』で「ひどい話だ」と持論を展開している。

「データが何を示しているか見てみるべきだ。自分はこれまでにこんなものを見たことがない。まるでソフトボールで使われるような気がするね。もちろんそれが今の野球界だってことは分かる。データの競争社会にあって、科学技術が大きな役割を果たしているのも間違いない。でも、あれは理解ができない。彼らのバットを見た時のショックが消えるのに1分はかかった。まぁヤンキースだから大目に見られるだろうね」

 現役投手の反発を受け、米メディアでも「異常で不格好な見た目で、非常に奇妙」(米版『Yahoo! Sports』のジェイク・ミンツ記者)と評されている魚雷バット。だが、あくまで「最も太い部分の直径が2.61インチ以下、長さが42インチ以下でなければならない」というMLBの規則内ではある。ヤンキースは現時点で違反は何も犯してはない。

 とはいえ、今後も採用が認められるかは不透明だ。なおもヤンキースが打ち続け、その効果が球界全体に波及し、「投手不利」の見方が強まった場合には、ルールの見直しが図られる可能性はゼロではない。

 早くも米球界のトレンドになりつつある「魚雷バット」。その影響力が広まれば、日本でも使用する選手が出てくるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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