ハース小松代表がトヨタGRの開発拠点で人生初のドリフト体験「むちゃくちゃいいエネルギーをもらいました」

2025年4月1日(火)21時51分 AUTOSPORT web


 3日後にF1日本GP開幕を控えた4月1日、小松礼雄チーム代表、そしてエステバン・オコンのハースF1のメンバーたちがトヨタの巨大開発拠点施設、愛知県豊田市の下山テクニカルセンターを表敬訪問。トヨタ下山に勤務している社員との交流や、テストコースでのドライブなど、トヨタ側は至れり尽くせりのおもてなしでハース一同を歓迎。両者に取って、貴重な1日となったようだ。



 トヨタが誇る下山テクニカルセンターは昨年3月にフルオープンしたばかりのレクサス、GRブランドの車両開発の拠点。山間部を利用した5.3kmのニュルブルクリンクを参考にしたテストコースが設備され、その広さは敷地面積約650ha、いわゆる東京ドーム換算で約138個分(編集部調べ)で従業員は約3000人という巨大施設。


 その開発拠点のお昼休みに合わせて小松代表、オコンが訪れ、フロアいっぱいにトヨタ社員が埋め尽くされた中、アピアランストークショー、そして質問コーナーで採用された方へのサイン会を行った。


 その後はこの開発拠点のメイン施設でもあるテストコースへ。実は今回の表敬訪問の背景には、小松代表がこの下山のテストコースを走ってみたいという意向があり、それにTGR(TOYOTA GAOO Racing)が応えたかたちで実現することとなった。


 下山テクニカルセンターの最大の特徴でもあるのが、モリゾウこと豊田章男会長キモ入りで作られた、まさにニュルブルクリンクを1/4サイズに凝縮した山間部を利用した5.3kmのテストコース。事前の噂からも、このテストコースを走った国内トップドライバーたちが口を揃えて「やばいコース」というように、難易度はかなり高い。


 同行していた中嶋一貴TGR-E副会長に聞いても「難しいです。ジャンプスポットがいくつかあって、ランオフエリアがなくてガードレールに囲まれていて、路面の起伏で見えずらいコーナーもあって(ガードレールに)刺さりやすい」と解説。そのコースを、小松代表、そしてオコンがGRヤリス・オジェ・エディョン、GRヤリス・ロバンペラ・エディション、そしてGRスープラA90ファイナルエディションの3台で自らステアリングを握って走行した。


 さらにその後はダートエリアに移動して、ドリフト走行も体験。人生で初めてドリフトをしたという小松代表は最初のドライブですでに満面の笑み。2度目のドリフトでは難易度の高い8の字ドリフトも成功させ、パドックに戻ってくる際にはウインドウを開けて右手でガッツポーズを見せて喜びを表現した。


「今日は本当に有意義な時間を過ごすことができました。トヨタと提携してから半年くらいが経って、ようやくトヨタのいろいろな方にお会いすることができて、すごくエネルギーをもらいました。ここは本当に建物のデザインやテストコース、クルマ、そしてモリゾウさんのガレージ、その端々にモリゾウさんの想い、心のようなものが全部に散りばめられて出ているんですよね。それがすごく響いてくるものがありましたし、嬉しいですよね。そういう想いのある方と一緒に仕事ができるのは、本当に幸せなことだなと思いました」と小松代表。


「テストコースはもう、難しすぎましたね(笑)。本当に壊したらいけないので、ゆっくり走らせて頂きましたけど本当、ガソリンがなくなるまで、1日中走っていたいコースですよね。ダートでのドリフトは初めてだったのですけど、先生(凄腕技能養成部/評価テストドライバーの方々)が良かったので、運転が超楽しくて(笑)」


 その小松代表、最後のドリフトを終えると、窓から右腕を突き出してガッツポーズを見せた。


「『8の字やってみて』と(同乗のテストドライバーから)言われて、やってみたら『できた!』って(笑)。日本GPの鈴鹿に向けて、むちゃくちゃいいエネルギーをもらいました。やっぱりね、好きなことを仕事にして心の底から楽しむことができて、みんな笑顔で、こういうのって本当に大事ですよね。これが好きでやっているところがあるので。好きなことを仕事にできているのは幸せですね」


 小松代表とともにテストコース、ダートコースを走ったオコンも、この日の表情は違った。F1ではクールなイメージがあるオコンだが、GRスープラA90ファイナルエディションを見つけると、その開発に中嶋一貴が関わっていることを聞いて質問を重ね、クルマの各部を自分のスマホで撮影。テストコースにコースインする際にはドリフトを披露してタイヤを温め、乗り終わった後は『アメージング!』を連発、小松代表のドリフトが成功した時もガッツポーズを見せて歓声を挙げるなど、これまでのイメージとは違う、クルマ好きの姿を見せた。


 F1日本GP前に、仕事ではあるが仕事ではないような、思い出深い1日を過ごしたハースの面々たち。鈴鹿に向けての準備は十分に整ったようだ。




開発施設で働いているトヨタ社員に挨拶と日本GPに向けての抱負、そして質問コーナーに応えた小松礼雄代表




お昼時に合わせて行われたトークショーでは、フロアいっぱいに社員の方々が集まった。中にはハースのウエアを着て応援する方も。



体調不良で参加できなかったモリゾウこと豊田章男会長のパネルと記念撮影。左から加地雅哉TGRモータースポーツ部長、エステバン・オコン、モリゾウ、小松礼雄代表、TGR高橋智也プレジデント。


ハースのウエアでサイン会に臨んだトヨタ社員。嬉しいことに、トヨタの中でもレース熱はかなり高くなっているようだ


F1の中継などでみられるクールな姿とは違って、実は親切さが溢れ出すいい人キャラ(失礼!)だったオコン


左からGRヤリス・ロバンペラ・エディション(100台限定)、GRスープラA90ファイナルエディション(抽選申し込み期間中)、GRヤリス・オジエ・エディション(100台限定)


GRスープラA90ファイナルエディションが気になって仕方ないオコン。中嶋一貴TGR-E副会長にいろいろ質問中


完全にこれまでのF1でのクールなイメージを覆したクルマ好き、なんならクルマ小僧感(もちろんいい意味で!)が満載のいい人だったオコン


GRスープラのステアリングを握ってテストコースを疾走するハースF1小松礼雄代表。路面はウエットだった。


オコンのヘルメットを借りてドリフト走行に臨んだハース小松代表


人生初のドリフトで、走るたびにみるみる上達していった小松代表のドライビング。本人はもちろん大興奮。


定常円でのドリフトも徐々にスピード感、安定感が上がっていった小松代表の走り


小松礼雄代表がドリフトを見事に決めるとハースチームの面々たちから歓声が挙がった。オコンも『ナイス!』とガッツポーズ


ダートコースでドリフトを楽しんだ小松代表とオコン。中嶋一貴TGR-E副会長はオコンの助手席でドリフトを体感した


トヨタGR、レクサスの開発拠点、愛知県豊田市の下山テクニカルセンター。巨大イオンモールと同等の大きさ

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