プロ初勝利を逃した門別啓人は「後手になっていた」 球界OBは好投を評価もシビアな指摘 進化の鍵は「初球」の「勇気」
2025年4月1日(火)16時0分 ココカラネクスト

門別は4回1/3を投げ8本の安打を許した。(C)産経新聞社
藤川球児新監督が率いる阪神は、広島との開幕カードを2勝1敗と勝ち越し好スタートを切った。
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初戦は先発の村上頌樹による8回2/3を無失点に抑えるパフォーマンスもあり、4-0と快勝。翌2戦目は先制点を奪われるも逆転し3-2で接戦を制した。そして3戦目は門別啓人を先発に送り敵地での3タテを狙ったが、広島の先発・森翔平との投げ合いとなり、この試合もロースコアで展開。門別は5回途中でマウンドを降りるまで2失点と好投するも、打線が試合を通して無得点、わずか2安打に抑えられ、0-2で敗れている。
開幕前にカブスとのエキシビジョンゲームで快投を繰り広げ、新シーズンへの期待も大きかった門別の最初の登板だったが白星に結びつかなかった。4回1/3を投げ8本の安打を許し球数も111球を数えるなど、課題も少なくない内容で今季初戦を終えている。
また、この先も注目を集めるであろう縦じまの若き左腕には、球界OBからもアドバイスが送られている。現役時、阪急、オリックスで通算165勝をマークし、球界屈指の投手コーチとしても知られる佐藤義則氏が3月31日、自身のYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を更新。門別の広島戦でのピッチングについて解説している。
佐藤氏はこの日の門別の印象として、「(各打者への)初球の入り方は悪くは無かったが、ボール球が多かった。そこから並行カウントにはなるんだけど、どうしても後手後手のピッチングだった」などと振り返っている。
また、マウンドを降りるまでに球数が100球を超えた要因にも言及。「やっぱり変化球でストライクを取る確率が低かった。抑える場面もあったがどうしてもカウントが悪いため、フルカウントからファウルで粘られて、フォアボール。それで球数も増えてしまう」と分析する。
さらに、速球は140キロ台後半を示し「ボールの勢いもあった」としながらも、「コースが高めに行き、それを相手打者にファウルにされていた。カウントを取る分には良いのだけど、空振りが取れるコースではなく、勝負に行ったボールもみんなファウルに逃げられていた」と回想。コースが甘かったこともあり、球数が増えたと強調している。
佐藤氏は、門別の今季初先発に対し、「ピッチング自体は悪くはない」と評しており、加えて次回以降の登板に向け、「勇気を持って、初球でストライクを取ることが大事」と優位に組み立てることへの心構えも語っていた。
門別はこの日今季初黒星を喫したものの、引き続き先発ローテーションの一角を担っていくことは確実。新生阪神で売り出し中の20歳が今後どれだけの成長を遂げるか、非常に楽しみだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]