トップが2度接触の波乱。タイムペナルティのLEON AMGが逃げ切り勝利【GT300決勝レポート】
2025年4月13日(日)19時0分 AUTOSPORT web

4月13日、岡山県の岡山国際サーキットにて2025年スーパーGTの第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝レース(82周)が行われ、GT300クラスは65号車のLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が優勝を飾った。
晴れの予選日から天候が変わり、決勝日は雨に見舞われた。朝から雨が降り続いたことで、コースはウエットコンディションとなる。
■序盤から赤旗、SCランが続く
13時10分開始の決勝は、悪天候のためセーフティカー(SC)スタートとなった。気温は13度、路面温度は15度というコンディションで定刻どおりに進行。4周のSCラン後にグッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也を先頭にスタートが切られた。
1コーナーでは先にスタートしたGT500のクラッシュが起きており、2番手のD’station Vantage GT3の藤井誠暢が初音ミク AMGのインに飛び込んでトップを奪った直後に赤旗が導入。レースは11周目から再開となった。
リスタート後はD’station Vantageが首位、その後ろでは初音ミク AMGとSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人がバトルを繰り広げる。ここでGT500のアクシデントがあり、SCランへ入ることに。ちょうど雨が止みはじめ、GT300の18周目に再開となった。
そして21周目には、首位D’station Vantageに初音ミク AMGが追い付く。セクター2ではサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げたが、パイパーコーナーでD’station Vantageのサイドに初音ミク AMGが接触し、D’station Vantageがグラベルにストップしてフルコースイエロー(FCY)に。2台のアクシデントは接触検証の対象となる。
GT300の23周目にレースは再開。29周目には暫定トップの4号車に、D’station Vantageとの接触に対するドライブスルーペナルティが課され、消化とともに6番手へダウン。代わりに65号車LEON AMGがトップに立つ。さらに上位ではPONOS FERRARIやSUBARU BRZが早めのルーティンピットを選択。タイヤはまだレインだ。
トップのLEON AMGは、唯一の1分36秒台を続けて10秒以上のギャップを築く。後ろでは18号車UPGARAGE AMG GT3の野村勇斗と、666号車seven × seven PORSCHE GT3Rの近藤翼が接近戦を展開した。
約8周に渡ってバトルを繰り広げ、UPGARAGE AMGが周回遅れに前を塞がれた隙をseven × seven PORSCHEが見逃さず、リボルバーコーナーでオーバーテイクを決めた。
■第2スティントで作戦分かれる。最後はスプリント勝負に
レースが折り返しを迎えた43周目で、トップLEON AMGがピットへ。蒲生尚弥へ交代し、レインタイヤ無交換でコースへ復帰した。
その2周後、ドライブスルーペナルティでポジションを下げていた初音ミク AMGとUPGARAGE AMGがピットへ向かい、スリックタイヤを投入。ドライバーも初音ミク AMGは谷口信輝、UPGARAGE AMGは小林崇志に交代する。
路面が徐々に乾いていくなか、52周目でUPGARAGE AMGの小林が全体ベストに迫るタイムを刻み始めると、ウエットタイヤ続投の上位勢が揃ってスリックタイヤへの交換のためにピットイン。
ライバルがピットへ向かったことでクラス2番手まで上がったUPGARAGE AMGがさらにスピードを増し、全体ベストを大きく更新する1分32秒台をマーク。アウトラップの首位LEON AMGに追いついてそのままパスし、トップに立つ。
3番手には、ANEST IWATA RC F GT3の安田裕信が浮上し、ウエットタイヤでの1スティント目を50周目まで引っ張ってスリックへ交換する作戦でポジションを上げていた。
そして63周目にGT500のマシンがトラブルでストップし、FCYが導入。その後にSCランへと切り替わり、全車のギャップはリセットされた。
69周目にリスタートが切られると、レースは残り10周のスプリント勝負へ。
首位UPGARAGE AMGの小林をLEON AMGの蒲生が攻め立て、アトウッドカーブでサイド・バイ・サイドとなるが、2台は接触してしまった。押し出されたかたちのUPGARAGE AMGは4番手へダウンしてしまう。
一方LEON AMGの蒲生はトップに立ったが、接触で5秒のタイムペナルティが課されることに。2番手ANEST IWATA RC Fの安田とは、5秒以上の差があるなか、レースは残り4周へ。
ラストスパートでは、18号車がなんらかのトラブルからかダブルヘアピンにストップ、さらにSUBARU BRZの山内英輝が他車とのコンタクトでホームストレートでスピンする場面も見られたが、トップでペースを緩めず攻めた65号車LEON AMGが最終的に2番手を14.718秒離してトップチェッカー。5秒のタイムペナルティを背負いながらもライバルを離して優勝を飾った。
そして、2位にはチームにとって初の表彰台獲得となるANEST IWATA RC F GT3(I.フラガ/安田裕信)、3位にはリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(J.P.デ・オリベイラ/平手晃平)が入った。
※追記:18時45分発表の暫定結果では、13番手チェッカーとなったUNI-ROBO FERRARIが、2025 GTAブルテンNo. 012-T「最大過給圧違反」により失格となっている。