片岡篤史氏 阪神・大山は決勝弾を「接戦に決着をつける状況」で打てたことに意味がある

2025年4月24日(木)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神3—2DeNA(2025年4月23日 横浜)

 【片岡篤史 視点】開幕から好スタートを切っていた佐藤輝の陰に隠れていた形の大山が、延長10回に決勝の今季1号を放った。これ以上ない場面で一発が飛び出した。なかなか結果が出ずに苦しんでいたと想像できるだけに、試合を決めるひと振りは、大山本人にとっても、チームにとっても価値がある。

 フルカウントからの直球をしっかりと振り抜いた。接戦を決める本塁打。あの状況、あの場面で打てたことに意味がある。長いペナントレースでは全員が調子良く打てるということは、まずない。状態が良い選手が、悪い選手をカバーしながら戦っていくもの。その意味でも佐藤輝が4打数無安打3三振に終わった試合で、大山が試合を決めたということが、チームのいいリズムを示している。

 好投手のジャクソンからの先制シーンにも、阪神のチーム力がうかがえた。中前打の近本が二盗を決め、中野の犠打で三進。ここで森下が初球直球を右前適時打した。ポイントの立ち上がりで足も絡ませて、7球での先制。阪神は初回、打者7人の打席で全員が直球のストライクを振っていた。意思統一を感じる攻撃だった。

 大山の本塁打とともに忘れてはならないのが中継ぎ陣の力投。7回に先頭に四球を与えながら、代打・松尾を遊ゴロ併殺に打ち取り、3人で切り抜けた及川をはじめ、ブルペンが持ち味を発揮し、延長戦での白星をつかみ取った。今後に向けても弾みがつく白星となる予感がした。 (スポニチ本紙評論家)

スポーツニッポン

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