中大・準硬式152キロ右腕 大山北斗 今秋ドラフト超隠し玉 プロ7球団が既に視察済み
2025年4月23日(水)5時10分 スポーツニッポン
◇東都大学準硬式野球 中大7—2専大(2025年4月22日 スリーボンドベースボールパーク上柚木)
準硬式野球に今秋ドラフトの「超隠し玉」がいる。東都大学準硬式野球の春季リーグ戦が22日、行われ最速152キロ右腕の中大・大山北斗投手(4年)が専大戦に先発し、7回3安打無失点、5奪三振で勝利投手になった。興南(沖縄)時代は無名の存在で大学では11キロも球速アップ。阪神、ヤクルトなど既に7球団が視察に訪れている。
表面をゴムで覆われた準硬式球。心地よいミット音が響いた。最速152キロ右腕の中大・大山が7回を83球で3安打無失点。「絶対に抑えてやろうと思っていた。自信のあるフォークで三振を奪って、打線に良い流れをつなげられた」とチームを勝利に導いた。
東都大学準硬式野球の春季リーグ戦。関係者を除いた観衆は11人。注目度の低い環境でもスカウトは「隠し玉」を見逃さない。ネット裏の阪神・吉野誠スカウトは「フォークで空振りを奪う能力が高い」と評価した。既にヤクルトなど7球団が視察に訪れるなど注目度は高い。
同部は東京都日野市内の寮から試合会場まで片道20キロ以下の場合は走って往復する伝統がある。下半身が鍛えられ、興南時代の最速141キロから11キロもアップ。優勝した昨年の全日本選手権では152キロを計測し、ドラフト候補に浮上した。名前の北斗は2人の妹・七星(ななせ)、そらの3兄妹合わせると、旅人の目印とされる北斗七星で「道を見失うな」と願いが込められている。
注目の進路は「プロに行きたい思いはありますが(硬式転向で)いきなり活躍できるかは分からない。悩んでいます」。現時点でプロか社会人野球の2択。「準硬式の星」の決断が注目を集めることになりそうだ。(柳内 遼平)
◇大山 北斗(おおやま・ほくと)2004年(平16)3月10日生まれ、沖縄県糸満市出身の21歳。京都・向島南小5年時に向島シャークスで野球を始め、沖縄・兼城中では軟式野球部所属。興南では甲子園出場なし。中大準硬式野球部では3年時の全日本選手権で優勝。50メートル走6秒3、遠投110メートル。1メートル80、75キロ。右投げ右打ち。
▽準硬式野球 表面が軟式球と同じゴム製、中身がほぼ硬式球と同じ準硬式球(H号)を使用する。バットは硬式用の金属、木製バットが使用可能。近年では明大準硬式野球部から社会人野球の王子を経て、オリックス入りした高島は昨年2勝を挙げた。西武、広島でプレーした青木勇人(現西武ファーム投手コーチ)が準硬式出身で最多のプロ通算9勝を挙げている。