マキロイ悲願V「やっと自由に」 ウッズ以来25年ぶり史上6人目の生涯グランドスラム達成
2025年4月15日(火)4時30分 スポーツニッポン
◇米男子ゴルフツアー マスターズ最終日(2025年4月13日 米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7555ヤード、パー72))
単独首位から出たロリー・マキロイ(35=英国)が6バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの73で回り、通算11アンダーで並んだジャスティン・ローズ(44=英国)とのプレーオフを制し、大会初優勝。タイガー・ウッズ以来25年ぶり史上6人目のキャリアグランドスラムを達成した。48位から出た松山英樹(33=LEXUS)は7バーディー、1ボギーのこの日最少に並ぶ66をマークし、2アンダーの21位で終えた。
1メートルのバーディーパットを沈めたマキロイはパターを放り投げ、両手で頭を抱えてうずくまった。18番グリーンに大歓声が響き渡る中、肩を震わせた。
表彰式で悲願のグリーンジャケットに袖を通した新王者は「97年にタイガー(ウッズ)が(大会)初優勝した瞬間を見て、彼と同じ道を歩みたいと思うようになった。夢がかなった。ゴルフ人生最高の一日だ」と誇らしげに語った。
2打リードでティーオフ。1番、13番でダブルボギーと出入りの激しいゴルフで一時は首位から陥落した。それでも消沈することなく攻め続けた。1打リードの18番でボギーを叩き、ローズとのプレーオフにもつれ込んだが、1ホール目で決着をつけた。
優勝者では史上最多の4ダブルボギーを喫しながら競り勝ち「ジェットコースターのような一日だった。1週間で4回もダブルボギーを叩いたマスターズ優勝者は初めてかもしれないね」と笑った。
14年7月に全英オープンを制し、メジャー全4大会を制すキャリアグランドスラムに王手をかけた。しかしマスターズでは勝てず「もうここでは勝てないのか…」と思い始めていたという。17回目出場、王手から11度目挑戦で偉業を成し遂げ「14年からずっと重荷を背負ってきた。今は重荷を背負う必要がなくなり、やっと自由になれた」と晴れ晴れとした表情で話した。
勝利が決まると、エリカ夫人、長女のポピーちゃんと抱き合った。スピーチでは「欠かせないのは家族。ここまでの道のりを一緒に歩んでくれた。ポピーには“夢を絶対に諦めないで”と伝えた」と感謝の意を口にした。
昨年エリカ夫人との離婚申請が報じられ、1カ月足らずで撤回する騒動があったが、今は円満。今大会前のパー3コンテストではエリカ夫人がキャディーを務め、ポピーちゃんがロングパットを沈めて話題を呼んだ。家族の愛に支えられ、屈指の飛ばし屋がついに夢を実現させた。
▼キャリアグランドスラム 生涯のうちにメジャー大会を全制覇すること。男子はマスターズ、全米プロ選手権、全米オープン、全英オープンの4大会。女子はシェブロン選手権、全米女子オープン、全米女子プロ選手権、エビアン選手権、全英女子オープンの5大会。
◇ロリー・マキロイ 1989年5月4日生まれ、英国・北アイルランド出身の35歳。2歳で40ヤードのショットを放った逸話を持ち、アマチュアで数々のタイトルを獲得して07年にプロ転向。09年に欧州ツアー、10年に米ツアーで初勝利。12年は両ツアーで賞金王に輝いた。メジャーは11年の全米オープン選手権で初優勝し、通算5勝。平均飛距離315ヤード超のドライバーショットが武器。1メートル78、73キロ。