阪神・森下 前日に先発・才木に援護約束「カバーしたい」“地方の鬼”が有言実行の決勝打
2025年4月16日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神5—1ヤクルト(2025年4月15日 松山)
有言実行の決勝打だ。今季2度目の3番で出場した阪神・森下が目を覚ました。初回1死三塁からの第1打席。先発・奥川の内角直球に食らいついた。
「2ストライクだったので、何とかバットに当てて“事”を起こそうという気持ち」
どん詰まりになっても打球を中前へ運んだ。2試合、9打席ぶりの安打は貴重な先制打。前日14日には「(才木を打撃で)カバーしたい」と援護を約束。その言葉を結果で証明した。過去2シーズンの豊橋、倉敷を含めて地方球場での打撃成績は15打数8安打で打率・533。まさに“地方の鬼”が勝利へと突破口を開いた。
「自分が3番で出塁したら4、5(番)に必然的に続く。いいバッターがそろっているのでランナーなしの状況でも出塁できたというところは良かった」
1点優勢の6回1死からの第3打席では右前へ運び、5連打の口火を切ると7回は三遊間を破る単打。安打は全て2ストライクに追い込まれてから広角へ放ち、4安打を記録した2日DeNA戦以来となる今季2度目の猛打賞をマークした。
試合前の直近5試合で打率・105(19打数2安打)と状態が上がらない中、「リラックスしてもらおうと思ったらしいです」と絶妙なタイミングで声をかけてくれたのが1学年下の富田だった。普段から公私で仲のいい2人。降雨中止となった13日中日戦の夜に大阪市内に食事へ出かけ、マグロの中トロ、大トロに始まりステーキも堪能。野球の話はほとんどなくても、世間話で約2時間、花を咲かせた。気を使ってくれた後輩に直接お礼を伝えることはなくても「僕のメンタルマネジャーなので」という言葉に感謝が目いっぱい詰まっている。
今季打点を記録した試合のチーム成績は4勝1分けだ。不敗神話も継続。「才木さんに勝ちをつけられて良かった」。手に残る感触に充実感をにじませながら、帰りのバスへ乗り込んだ。 (石崎 祥平)