5・2超大型興行で異例のプロデビュー戦 堤麗斗が渡米「世界に日本の強さを」 4日には尚弥がベガス戦
2025年4月17日(木)18時15分 スポーツニッポン
アマチュアボクシング21年世界ユース選手権優勝などアマ9冠の堤麗斗(22=志成)が17日、5月2日(日本時間3日)に米ニューヨーク・タイムズスクエアで行うプロデビュー戦に向けて羽田空港から渡米した。出発前に取材に応じ「急展開でびっくりしたが、このチャンスをちゃんとつかみたい。中々ない機会を楽しんできたい」と世界にアピールする勝利を見据えた。
期待のホープが超大型興行のトップバッターを務める。ニューヨークの繁華街タイムズスクエアで行われる同興行には元WBC世界ライト級暫定王者ライアン・ガルシア(米国)と世界2階級制覇王者デビン・ヘイニー(同)がともに復帰戦を行うほか、WBO世界スーパーライト級正規王者テオフィモ・ロペス(同)が暫定王者アーノルド・バルボサ(同)と団体内統一戦に臨む。スーパーフェザー級6回戦でレベール・ウィッティントン(米国、1勝2敗1分け)と対戦する堤のデビュー戦は唯一の前座試合となる。
またメキシコの祝日「シンコ・デ・マヨ(5月5日)」週の先陣を切って開催されるイベント。4日(日本時間5日)には米ネバダ州ラスベガスのT—モバイル・アリーナで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32=大橋)がメインイベントでWBA同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との4団体防衛戦に臨む。堤がトップバッターを務め尚弥がラストを飾る、日本人リレーとなり「あまり意識はしていないが今、日本のボクシング界は凄い波に乗ってる。そういう意味で世界に日本の強さを見せたい」と勝利のバトンをつなぐ覚悟だ。
先月18日にプロ転向会見を行い、同21日にA級(8回戦以上)プロテストに合格したばかり。テスト受験数日後には、同興行を主催する、サウジアラビア国営の娯楽イベント「リヤド・シーズン」を主催する同国総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官から正式にオファーを受けたという。渡米後は約2週間ラスベガスのサラス・ジムでスパーリング合宿を行い、試合約一週間前にニューヨークに移動して最終調整を行う予定だ。
デビュー戦としては破格のファイトマネーになることも予想され、内容次第では今後、サウジアラビアの「リヤド・シーズン」と契約する可能性もあるという。堤は「海外での大型契約はモチベーションになる。まずは試合を見て、将来性を感じてもらえたらうれしい」と笑みを浮かべる。
同門の大先輩・井岡からは「今後の未来のために最高の舞台が整ったな。出し切ってこい」と背中を押されたという。パウンド・フォー・パウンド(全階級通じての最強ランク)1位と10戦以内の世界挑戦を見据える超大型新人が、初のニューヨーク参戦で世界に衝撃を与える。