「最高に強いふたり」にチームはハラハラ。太田はスタート前に問題発生【SF第3戦決勝会見】
2025年4月19日(土)19時36分 AUTOSPORT web

4月19日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで、2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が行われ、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐がポール・トゥ・ウインを飾った。さらに2位表彰台は太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が獲得し、チームはワン・ツーフィニッシュ。3位にはイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が入り、3名は決勝後に行われた記者会見に臨んだ。この会見には優勝チームの監督である村岡潔チームプリンシパルも出席し、それぞれが決勝レースを振り返った。
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選:1番手 決勝:優勝
「これまでの優勝があまりにも癖が強かったので、今回はそのなかでも、感情が比較的落ち着いている優勝だと思います」
「チームとしては、伊沢拓也選手と塚越広大選手が獲得して以来のワン・ツーフィニッシュになりましたが、僕もこのチームでの在籍が長くなってきたなかで、体制がほとんど変化していないですし、今はそれが強みになっていると感じています」
──タイヤ交換のタイミングについては、どう考えていた?
「トップで1周目を終えた時点で、引っ張る作戦を考えてタイヤマネジメントをしながら走っていましたが、イゴール選手のピットインが想定よりも早めの動きだったので、自分も反応せざるを得ませんでした」
「それで、ミニマムの選手に対するアドバンテージ少ないタイミングでピットインすることになり、『まずいな』と思っていました。本当はあと5、6周は引っ張れたらよかったですね」
──この優勝で、ポイントランキングトップに立ちました。
「まだ3戦しか終了していませんが、いい形でシーズンを進められていると思います。ただ、富士スピードウェイも2連戦が2回ありますし、(チャンピオンの)坪井選手も上がってきているので、全然気が抜けない状況だと思います。ここからさらに良くなるように、準備していけると良いなと思います」
太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選:2番手 決勝:2位
「2位という結果には悔しさもありますが、(ポジションを下げた)スタート以外に関して、自分のやれることはすべてできたかなという感じです」
──スタートは何があった?
「ギヤのトラブルが起きていました。スタート練習の時、加速でギヤがはじかれるようなシーンがあって、『これやばくない?』と思いながらのスタートでした」
「なので、そのあともレース中はつねに繊細にシフトアップしていましたし、無事に完走できて良かったですよ」
──ミニマムでのピットイン以降の戦いは?
「もてぎということもあってタイヤのデグラデーション(性能劣化)が大きかったのですが、イゴール選手をなんとか抑えることができたので、ほぼノーミスの走りができました。それも含め、強いレースができたのかなと思います」
「とにかく、今回もエンジニアさんとメカニックさんが本当に完璧な状態のマシンを持ち込んでくれました。そうでないと、このワン・ツーは獲れなかったと思うので、本当に素晴らしいチームだと思います」
イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
予選:3番手 決勝:3位
「素直に嬉しいです。参戦して2大会目で表彰台に上がれましたし、予選から調子が良くて、その流れを維持してレースもこなせたので、すごく嬉しく思っています」
──スタートでは2番手に上がりましたね。
「はい。ただスタート後の1〜2コーナーでは、牧野選手とサイド・バイ・サイドで並んで、2年前のリアム・ローソン選手と野尻(智紀)選手のバトルに似たかたちになったので、『ちょっと危ないな』と思うところはありました。ギリギリでコース内にとどまれて、1ポジション上げられたので、すごく良かったと思います」
「レースペースは、10周目以降から落ち着いていて、速いペースで周回できたと思います。ただ、ピットに入った後が想定外に伸びなくて、落ち着くことなく徐々にペースダウンしていったイメージなので、そこはデータを見直して明日に向けてアジャストしていきます」
──初表彰台ですが、かなり冷静に見えますね。
「今、自分ができることに対して集中して、できることを完璧にこなせたなら、結果もついてくると思うので、基本的に自分の仕事に集中している感覚です」
「感情が爆発するとしたら、とりあえず優勝した時だろうなと思います(笑)」
村岡潔チームプリンシパル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「(チームメイト同士のトップ争いで)ピットのなかは非常に盛り上がるというか、ハラハラドキドキの状態なので、ぜひこのドライバーふたりに見せてあげたいなと思うぐらいですね」
──これから先のシーズンの展望はいかがでしょう。
「明日も獲って、オートポリスも獲って、富士はトータル4レースありますけど、そのうち3回は獲って、鈴鹿もいつもどおりふたつ獲るつもりです」
──牧野選手と太田選手というパッケージについては、どう感じていますか?
「最高に強いふたりをホンダさんから預かっているので、このふたりがチャンピオンをきちっと獲れるようにしてあげたいです。ドライバーズタイトルが獲れた後に、チームタイトルがついてくれば一番嬉しいですが、まずはドライバーズタイトルを獲ってほしいですね」
──では、最後まで牧野選手と太田選手のふたりがチャンピオン争いをした時は、どのようにチームを管理しますか?
「もう、コントロールできるふたりじゃないと思っています(笑)」