「能力は間違いなくある」2軍調整中の工藤泰成に球団OBがエール 必要なのは“攻めの姿勢”のみと強調「気持ち以外は何もいらない」
2025年4月23日(水)11時57分 ココカラネクスト

パワフルなピッチングを持ち味とする工藤。2軍で経験を積み、持ち味を思い出したい(C)産経新聞社
今季、阪神の育成出身ルーキーとして、キャンプから話題を集める存在となっていた工藤泰成は現在、ファームで調整を続けている。
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開幕から6試合に登板するも、今月14日に2軍降格が発表された。初黒星を喫した9日のヤクルト戦では打者3人に対し2四球、また2暴投で失点するなど荒れた投球となった。その3日後、中日戦でも1イニングを投げ2つの四球を出しており、阪神首脳陣は再調整が必要と決断。藤川球児監督も、23歳に対しコントロールが課題だと指摘するコメントも残していた。
キャンプやオープン戦での好パフォーマンスにより、開幕直前に支配下登録を締結したことから大きな期待を背負いシーズンに臨んだ工藤。初登板から勝ちパターンの中で起用されるなど存在感を放ったものの、シーズン序盤で2軍行きが告げられている。
だが、春先から注目された速球の威力は健在であり、再び1軍での活躍をイメージする虎党も少なくないはずだ。そして、プロの厳しさを痛感することとなったルーキーに対し、球団OBもエールを送る。現役時、セパ5球団で活躍し、阪神では2003年、2005年と2度のリーグ優勝に貢献した下柳剛氏が、自身のYouTube動画『柳に風』の中で、工藤のピッチングについての印象を語った。
4月19日配信された動画で、下柳氏はキャンプからの工藤の状態について、「2月、3月は自分の特徴である攻めの投球ができていた」と振り返る。その上で、1軍として迎えた開幕以降は、「(2軍に)“落ちたくない”という意識から、急に守りの姿勢に入り制球の乱れに繋がった」と分析している。
また、2軍行きという決定に関しては、「藤川(球児)監督の判断だから」と強調した上で、「自分としては、負け試合でガンガンと投げさせて経験を積ませ、ちょっとでも良くなる姿が見つけるやり方もあるかなと思った」と述べながら、「それは、自分もそういう投手だったから」と打ち明けている。
自身も現役時、真っすぐが特徴のスタイルで投げていて、慎重になると打たれる機会もあったと話す下柳氏は、ファーム行きとなった工藤に対して、「自分がどうやって、2月3月を過ごしてきたかということをもう一回思い出してもらって、攻めの姿勢を見せて欲しいという気はする」とアドバイスを送る。
また下柳氏は1軍再昇格に向け、「(攻めの)気持ち以外は何もいらない」と断言。「能力は間違いなくある」とポテンシャルに太鼓判を押した上で、「最初の頃の『俺の球を見てみろ』という、あの気持ちで毎試合投げて欲しい」と若武者の奮起を促している。
入団から僅かな期間で頭角を現し、華やかな脚光の中でデビューを果たすも、プロの洗礼を受ける形となった工藤。キャンプから貫いていた、強気で投げ込む自身のスタイルを取り戻すことができれば、1軍マウンドに戻る日もそう遠くはないはずだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【柳に風(下柳剛公式チャンネル)の当該動画はこちら/https://www.youtube.com/watch?v=z0MTc_dtVcM】