RB大宮vs札幌、長澤×岩政の“岡山由縁”対決に注目【J2第11節直前取材】
2025年4月24日(木)12時0分 FOOTBALL TRIBE

2025明治安田J2リーグは4月20日に第10節までが終了。勝ち点20で現在2位のRB大宮アルディージャは、4月25日にホーム・NACK5スタジアム大宮(埼玉県)で開催される第11節北海道コンサドーレ札幌戦(現17位)を前に囲み取材を行った。
直近の第10節では、同じくJ2昇格組のFC今治と対戦した大宮。互いに激しいせめぎ合いを繰り返す展開が続いたものの結局両チームともにゴールネットを揺らすことが出来ず0-0で終了。第8節終了時点で5ポイントだったジェフユナイテッド千葉(現1位)との勝ち点差が7ポイントに広がった。順位は2位を死守しておりJ1自動昇格圏内はキープできているが、第14節で迎える千葉との直接対決に備え勝ち点差を縮めておきたいところだ。今シーズンここまでの戦いや次節札幌戦のポイントについて長澤徹監督に訊いた。

今シーズンここまで「悪くはない」
昨シーズンはチーム史上初のJ3を戦った大宮。結果は25勝10分3敗で得失点差が+40とJ3では頭一つ抜けていた。戦いの場をJ2に移した今季も勢いはそのままに開幕4連勝を達成し好スタートを切ったといえる。ここまでの戦いぶりについて問われた長澤監督は「悪くはないです。かと言って最高なわけでもないですし、フィニッシュ(終わり)が一番大事だよと選手たちには伝えています。ただ、間違った方向に行っていないよねというところは全体で確認して取り組んでいます」と回答。現状の成績に満足はしていないものの、浮き彫りになった課題を解消していくことにベクトルを向けている。
昨シーズン、ホーム戦での1試合平均観客動員数が7,400人だった大宮。それに対して今シーズンは、ここまで5試合のホーム戦で1試合あたりの平均観客数が10,968人と昨年を大きく上回っている。観客数の増加について監督は「本当に力になっています。我々がアグレッシブなプレーをすれば即反応してくれますし、それで選手が何でもやれるような感覚を得られているのは事実なので。どう感じているかを問われると感謝しかないです。これからもよろしくお願いします」とサポーターの存在が選手の背中を押していることに感謝の言葉を述べた。

札幌は「質が高くて強いチーム」
25日の第11節で札幌と対戦する大宮。札幌は昨季のJ1リーグで19位となり今季は9シーズンぶりにJ2で戦っているが、現時点で17位と苦境に喘いでいる。長澤監督は札幌の印象について「全般的に上のステージ(J1)でやっていたチーム。しっかりチームを捕らえていかないと難しいゲームになる。どのポジションにおいても市場的に価値のある選手たちが揃っているので、全体的に質が高くて強いチームだなと捉えています」と警戒した。
そんな札幌との戦いにおいて「フェーズがはっきりする試合になる。我々が受けなくてはいけない時間も状況も来ますし、逆にしっかり押し込む状況も来ますし、やり合う状況にもなると思う。ちょっと(自陣に)入られてモタモタしたり、ちょっと攻め込んでいるからフワッとしたりしないように心構えだけは持たせていきたいです」と語り、いかなる展開においても戦うマインドを選手たちに植え付けていく姿勢を見せた。
23日の練習が急遽非公開となったことについては「情報戦の一環として現場からクラブにお願いした」と明かし、「戦術的な確認の時間を取りたかった」とサポーターに配慮する場面もあった。長澤監督の表情からは札幌戦に向けての練習が充実したものになったことが汲み取れ、どんな戦いを見せてくれるのか非常に楽しみである。

監督同士となって対戦
かつて長澤監督がファジアーノ岡山の指揮官だった時代(2015〜2018)には、今季から札幌を率いている岩政大樹監督が選手として岡山でプレーしていた(2015〜2016)。約10年を経て、今度は監督同士で相まみえる形となった。岡山時代のエピソードについて問われると「なんだろうな(笑)岩政はよく頑張ってくれたなと言う印象はありますね」と当時を振り返った。
岩政監督率いる札幌は今シーズン開幕4連敗と出遅れたが、直近6試合では3勝3敗で勝ち点9を得ており徐々に調子を上げている不気味なチームだ。GW期間だけで5連戦を控えているJ2リーグだが、気温も上がっていく中でのこの連戦は体力が削られるため、選手にとって相当タフな期間でもある。そんな状況について長澤監督は「連戦というよりは1試合1試合なんで。2試合先や3試合先を見るのではなくて、ワンゲームワンゲームということはチームで統一しています。ヨーロッパに行くとこれ(連戦)が永遠に続くわけだから、という話は選手によくしています。(GW連戦期間は)淡々とやっていくつもりではあります」と語り、先ずは目先の札幌戦に集中していることを表明した。