オリックスのドラ4ルーキーに「結果を伝えるだけ」ではいけないことを学んだ…【記者コラム・両国発】

2025年4月24日(木)16時0分 スポーツ報知

オリックス・山中稜真捕手

◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 プロ野球開幕を2日後に控えた3月26日。京セラDの駐車場で、練習を終えたドラフト4位・山中稜真捕手(24)を直撃した。プロ1年目のシーズンを迎えるにあたっての心境や、社会人・三菱重工East時代の思い出話。即戦力ルーキーの本音に迫る中で、ふとある日の練習後の言葉を思い出した。「結果を出してなんぼの世界。練習したからといって結果が出るとは言えないけど、その準備は絶対に怠ってはいけない。プロに入ったからではなく、ずっと自分は生活のリズムとしてバットを振っている」

 入社1年目の今年1月、私はオリックス担当となった。小学生の頃から見ていたプロ野球を、最前線で取材できる—。夢と希望を抱き、現場に飛び込んだ…はずだった。現実は甘くなかった。2月の宮崎キャンプでは、毎日のネタ探しに苦戦。やっとの思いで取材を終えると、次はパソコンで原稿を打ち込み、締め切り時間ギリギリに出す日々が続いた。

 オープン戦が本格化した3月。「なんとかその日の原稿の文字数を埋めなければ」と、試合で活躍した選手に「記事に必要なコメントをもらうだけの取材」をしている自分がいた。「打った感想は?」「今季の目標は?」。当たり障りのない質問を繰り返し、仕事のやりがいを見失いかけていた時に思い出したルーキーの言葉。「結果を伝えるだけの記者になってはいけない」。考えを改め直すきっかけとなった。

 長いシーズンが始まったばかりの今は正直、楽しみよりも不安の方が大きい。それでも試合前の早出練習で必死にバットを振る山中を見て、心に決めたことがある。「結果の前には必ず過程がある。その『過程』こそを大切にできる記者になろう」と。(オリックス担当・南部 俊太)

◆南部 俊太(なんぶ・しゅんた) 2024年に入社し、野球を中心に取材。趣味の草野球では主に「6番・中堅」。

スポーツ報知

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