日本人初のウエルター級世界王者へ 佐々木尽が爆笑会見「今回は宇宙人対決」 初回KO決着も視野?
2025年4月25日(金)15時49分 スポーツニッポン
プロボクシングWBO世界ウエルター級2位の佐々木尽(23=八王子中屋、19勝17KO1敗1分け)が6月19日に東京・大田区総合体育館で、WBO世界同級王者ブライアン・ノーマンJr(24=米国、27勝21KO1無効試合)に挑戦することが25日、横浜市内のホテルで発表された。いまだ日本人が世界王座を獲得したことがないウエルター級(リミット147ポンド=約66.6キロ)で“第1号”になると公言している佐々木にとって、プロ22戦目で初の世界挑戦。国内では36年ぶりとなる同級での世界挑戦へ、初回から激しい打撃戦を予告した。
緊張も不安も一切ない。日本人初のウエルター級世界王者を目指す佐々木が爆笑会見の主役となった。黒のオーダースーツに身を包んで登壇すると開口一番「日本の歴史を変えるために生まれてきました。八王子中屋ジム所属の佐々木尽です」とあいさつ。「夢のよう。人生の中で2番目に幸せ。本気でこの試合に人生かけて挑んでいく」と決意表明した。
ちなみに1番は「母のお腹の中から生まれてきたこと」だと言う。「なんで生まれてきたかが分かった。今回この試合に勝って、日本の歴史を変えるため」と真剣なまなざしで世界初挑戦への高揚感を口にした。
挑戦する王者ノーマンJrの初防衛戦は先月29日(日本時間30日)に米ラスベガスで現地観戦。「スピード、パワー、技術全てそろっていて本当に強い。“ノーマン”だけに人間やめているのかとも思った。弱点はない」と笑いながら「今回は宇宙人対決になる。日本代表として絶対に勝ちたい。相手が強い方が自分も強くなる。楽しみ」と笑い飛ばした。
同一戦観戦後に挑戦状を叩き付けた王者とは、夢の中では何度も対峙(たいじ)してきた。洋楽に乗りながら自分より先にリングインした相手は「どんどん目が真っ赤になって、怪物みたいになっていった」という。初回にダウンを奪われるも、ダウンを奪い返す展開に「冷や汗をかいて起きた。でも本当にありえそうな展開。試合では1回から盛り上げる」と初回KOも見据える。夢の中で決着はついていない。リング上で白黒はっきりさせる。
ウエルター級の国内での世界挑戦は、1989年12月の尾崎富士雄(帝拳)vsWBA王者マーク・ブリーランド(米国)以来36年ぶり。海外も含めると09年10月の佐々木基樹(帝拳)vsWBA王者ビチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)以来16年ぶりとなる。日本人未到のクラスだが「勝算はめちゃめちゃある。日本でやらせていただく機会は多分これが一生のうち1回くらいと思ってるいる。これをものにしなきゃもう人生終わり」と不退転の覚悟だ。
勝利者インタビューではIBF世界同級王者ジャロン・エニス(27=米国)やWBA世界同級3位のライアン・ガルシア(26)らに対戦を呼びかけることも計画中。「皆さん学校とか仕事とか本当に忙しいと思うが、サボってでも、仮病でもいいのでぜひ来てほしい。応援してくれたら後悔させない」。最後まで天然ボケをさく裂させたエンターテイナー。後はリング上で暴れるだけだ。