9トライで圧勝の神戸、リーグワン発足4季目で初のプレーオフ決定 デーブ・レニーHC「よかった」
2025年4月27日(日)5時0分 スポーツ報知
タックルを受けながら突進する神戸・李 承信(カメラ・谷口 健二)
◆ラグビー▽リーグワン第16節 神戸59—33相模原(26日・花園)
5位の神戸が9トライを奪い、59—33で相模原に圧勝した。リーグ2節を残して6位以内を確定させ、リーグワン発足4季目で初のプレーオフトーナメント進出を決めた。第14節・BL東京戦(6日、神戸ユニバ)でチームワースト失点を喫して28—73と大敗した名門が、立ち直って前節・浦安戦(12日、千葉・オリプリ)から2連勝。次のステージへとコマを進め、旧トップリーグ時代の2018年度以来となる日本一を目指す。
ノーサイドの笛が鳴ると、神戸フィフティーンは“第一関門”突破に、ひとまず安どした。元オーストラリア代表ヘッドコーチ(HC)で2季目のデーブ・レニーHC(63)は「暑い中でも9トライ取れた。プレーオフが確定し、よかった」とホッ。23年W杯日本代表でCTBの李承信・共同主将(24)は「率先してボールを動かせた」と胸を張り、1月の前回対戦で敗れた相模原フッカーの兄・承赫にリベンジし「見返してやろうと思っていた」と笑顔だ。
掲げるラグビーを体現した。空いたスペースを突き、ボールを大きく動かす。前半で3トライ差以上のリードを奪うと後半だ。24—14と迫られた後の11分、元日本代表SH日和佐篤(37)がトライ。同15分には近大出身の新人WTB植田和磨(22)がリーグワン初先発初トライを挙げた。18分にはキックパスをNO8サウマキ・アナマキ(28)が好捕して得点するなど、8分間の3トライで45—14と突き放し、ほぼ試合を決めた。
前々節にホームで11トライを奪われ、BL東京に屈辱的な大敗。日和佐は「自分たちがどういうラグビーをしたいのか、思い出そう」と練習からチームを引っ張った。原点回帰したチームはボールが目まぐるしくワイドに動き、浦安戦で5トライ、この日は今季最多に並ぶ9トライ。代表キャップ51のベテランは「落ち込んでいる暇がなかった」と笑顔で振り返った。
最終目標は、元ニュージーランド代表SOダン・カーターらを擁した18年度を最後に遠ざかっている日本一。李は「このメンバーで1試合でも多くしたい」と力を込めた。阪神・淡路大震災から30年となった節目の年。元日本代表SO平尾誠二さん(16年死去)らを中心に日本選手権を7連覇するなどした強豪が、プレーオフトーナメントで上位食いを見据えている。(田村 龍一)