神戸がリーグワンでは初めてプレーオフ進出決定 阪神大震災から30年「特別」なシーズンに頂点へ
2025年4月27日(日)6時0分 スポーツニッポン
◇NTTジャパンラグビーリーグワン1部第16節 神戸59—33相模原(2025年4月26日 花園ラグビー場)
神戸が相模原に59—33で快勝して9勝目(7敗)を挙げ、上位6チームによるプレーオフ(PO)進出を決めた。4季目となるリーグワンでは初めて。23年のW杯フランス大会日本代表CTB李承信(24、リ・スンシン)らが攻撃をけん引し今季最多タイの9トライを奪った。
「特別」と位置づけるシーズンで、神戸が2試合を残してPOへの出場権を手にした。FWとバックスが一体となり、ボールを継続して攻勢を強めた。前半8分のWTBブルアによるトライを皮切りに、今季最多タイとなる9トライ。自身も1トライを挙げた共同主将のCTB李は、貫いた展開ラグビーに「(神戸の)DNA」と胸を張った。
「個人的にも一年一年、悔しい思いをしてきた。この1年間、一試合一試合にフォーカスしてきたことが結果につながった」
阪神大震災から30年という節目のシーズン。地元の思いを背負い、誰もが覚悟を持ってシーズンを迎えた。神戸市出身の李もその一人。この日は母校の大阪朝鮮学校の生徒を招待し、兄・スンヒョのいる相模原に快勝した。
18—19年度にトップリーグを制するも、リーグワンが始まってからは苦戦。22—23年度シーズンには9位と低迷した。昨季から就任したレニー・ヘッドコーチのもと、原点ともいえるフィジカルの強度から徹底。その上で新たな戦力も加えて強化し、この日は初先発を果たした新人WTB植田がリーグワン初トライを奪った。
4季目で初のPO進出。ただ、リーグワン初制覇を目標に掲げるだけに、通過点に過ぎない。「一つの区切りで、またここからがスタート」と李。SH日和佐も「スタートラインに立っただけ」とベテランらしく引き締めた。ディフェンス面など課題を修正しながら、一発勝負のトーナメントに臨む。 (西海 康平)