“逸材”山口瑠がフルマーク判定勝ちで代表権 パリ五輪代表の原田周大ら強敵下し「一つの壁を越えられた」
2025年4月27日(日)21時47分 スポーツニッポン
アマチュアボクシング日本代表決定戦(ボックスオフ)が27日、都内で行われ、男子55キロ級では24年フライ級全日本王者の山口瑠(駒大)が溝口勢十朗(パンチアウト)に判定5—0で圧勝し、初のエリート(19〜40歳)代表に内定した。
新たなスター候補が躍動した。長いリーチを生かした左ジャブを軸に、立ち上がりから強烈な右ストレートを再三ヒット。最終3回には右アッパーに左ボディーと多彩な攻めで圧倒。「自分はいつも1、2回を取って3回に動きが硬くなる。その点では力を抜いて最後までやり遂げられた」と涼しい表情を浮かべた。
パリ五輪日本代表の原田周大(大橋)を判定5—0で下した26日の初戦に続き、この日も昨年の全日本選手権バンタム級王者に何もさせず。連日の大物食いに「自分の中で凄く大きい。周大さんがいたから日頃の練習から意識もして試合に臨めた。勝てたことで一つ壁を乗り越えられた」と胸を張った。
昨年は51キロ級で全日本選手権を制覇も、同階級はロス五輪で不採用となることが決定。階級を上げて55キロ級を主戦場とするため、昨年末からフィジカル強化に着手してきた。「もう少しパワー負けするかと思ったが、思った以上に戦えた」と手応えを口にしながら「まだ51キロの方が適正。ナチュラルでも減量1キロくらいなので、もう少し体重を増やしたい」と満足は一切ない。
高校では4冠を達成し、22年の世界ユース選手権のフライ級で銅メダルを獲得。駒大の小山田裕二監督が「ボクシングIQも高く、世界で戦える選手」と高く評価する逸材は初の五輪出場を目標に掲げる。今年3月には、28年ロサンゼルス五輪でボクシングが採用されることが正式決定。「ロサンゼルス五輪に出るために、これから世界で戦っていけるように経験を積んで頑張っていきたい」と高みを見据える。
男女各階級の日本代表は8月末に予定される世界選手権(英国)など、今年度主要国際大会に派遣される。代表選手は以下のとおり。
▽男子50キロ級 牧野草子(自衛隊)
▽同55キロ級 山口瑠(駒大)
▽同60キロ級 北本隼輔(自衛隊)
▽同65キロ級 西山潮音(宮崎県スポーツ協会)
▽同70キロ級 岡沢セオン(INSPA)
▽同75キロ級 須永大護(三重県スポーツ協会)
▽同80キロ級 若谷豪(愛媛県競技力向上対策本部)
▽女子48キロ級 篠原光(青学大)
▽同54キロ級 国府縞鈴(日体大)
▽同57キロ級 吉沢颯希(日体大)
▽同60キロ級 田口綾華(自衛隊)