【フローラS】カムニャック“復活”Vで鮮やか樫切符! 鞍上シュタルケは8年ぶり重賞V
2025年4月28日(月)5時20分 スポーツニッポン
オークストライアル「第60回フローラS(G2)」が27日、東京競馬場で行われた。7番人気カムニャックが鮮やかな差し切りで重賞初制覇。2着ヴァルキリーバースを含めた上位2頭がオークス(5月25日、東京)への優先出走権を獲得した。京都メインのG2「第56回マイラーズC」は5番人気のロングランがV。前走小倉大賞典に続き、重賞連勝を飾った。
伏兵の一発。西日に照らされた府中のターフでカムニャックの馬体が軽やかに弾んだ。検量室前に引き揚げてきた馬上でシュタルケは満面の笑み。出迎えた友道師とがっちり握手を交わすと、愛馬の顔を優しくなで奮闘をねぎらった。自身にとっては17年ニュージーランドT(ジョーストリクトリ)以来、8年ぶり5度目の重賞制覇。会心の勝利を「ペースが流れている方が彼女には合っていると思った。凄く能力がある馬でこれからが楽しみ。レースはパーフェクトでした」と振り返った。
ドイツを代表する名手のエスコートが光った。スタート直後、行きたがる相棒をなだめながら馬群の中へ誘導。前に馬を置き、折り合い重視で運んだ。向正面で後方のエストゥペンダが押し上げても人馬は泰然自若。じっと我慢したまま直線を迎えた。残り400メートル、前がぽっかり空くと、たまりにたまった末脚がさく裂。勝ちタイム1分58秒6は、20年ウインマリリンの記録を0秒1上回るレースレコードだった。
中間は2週前、1週前と2週続けて追い切りに騎乗。「調教の時にも少し行きたがるようなところを見せていたので、そこは注意して乗った。道中も途中からは落ち着いて走れていたので問題なかった」と、じっくりコンタクトを取った経験がここ一番で生きた。直近2走はマイルで連敗も、新馬戦を制した2000メートルで“復活”。友道師は「元々、オークス向きだと思っていた。新馬戦後はなかなか調子が上がってこなかったが、右肩上がりに良くなってきているので」とうなずいた。
次走は優先出走権を手にしたオークスへ向かう予定。2F延長に「行きたがるところは出てきたが、ジョッキーも大丈夫と言ってくれた」と指揮官。新緑の府中に誕生した新たなヒロインが樫の女王候補へ名乗りを上げた。
◆カムニャック 父ブラックタイド 母ダンスアミーガ(母の父サクラバクシンオー)22年4月14日生まれ 牝3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績4戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6346万円 馬名の由来は祝福された者(サンブル語)。