大谷翔平はベンチで”ピッチャー担当” 守備に就かないからこその心配り
2025年4月29日(火)4時0分 スポーツ報知
◆米大リーグ ドジャース9—2パイレーツ(27日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が27日(日本時間28日)、本拠地・パイレーツ戦に「1番・DH」で先発出場。今季自己最速の“弾丸二塁打”を含む2安打と2試合連続マルチで復調を印象づけた。19日(同20日)に真美子夫人の女児出産を発表してから復帰6試合目も“パパ1号”はお預けとなったが、日ごとに期待は高まっている。
らしい当たりが戻ってきた。2点リードの2回1死一塁。大谷は左腕・ファルターの内角92マイル(約148キロ)シンカーを捉えた。今季自己最速となる打球速度113・3マイル(約182・3キロ)の右翼線二塁打。バットとボールが衝突した時の破裂音、球場の大歓声—。これが大谷の“日常”だ。
7回にも右前打を放ち、3安打の前日に続く2戦連続マルチ安打。初回には四球を選ぶ直前の球が顔面付近に来て絶叫するなど、表情も豊かだった。真美子夫人の出産に立ち会うための産休制度「父親リスト」から復帰後4試合は計16打数2安打と苦しみ、2割6分まで落ち込んだ打率も直近2試合で9打数5安打と盛り返し、2割8分6厘に上昇した。ロバーツ監督は「父親の役割を果たしていたことで(野球から離れ)タイミングがズレてしまうのは自然なことだし、そこから戻すには時間がかかる。昨日は正しい方向へ向かう大きな一歩だった」と理解を示し、「(産休による2試合の欠場から)翔平(の状態)が戻ってきたことは大きい」と喜んだ。
指名打者の大谷は4回の味方が守っている最中に三塁ベンチ内で“水くみ当番”を担当。飲み物の入っているピッチャーから1杯ずつドリンクを作り、並べていた。守備に就かない分、何かでチームに貢献できないかと考えた末のものだろう。以前からやっていた行動ではあるが、チームの絆を深めるために一役買って出ている。
26日(同27日)の試合後には「最近あまり打てていなかったので、(再浮上する)いいきっかけの1試合になればいい」と話していた大谷。復帰前から今季最長の32打席ホームランがないが、長打は出ている。あとは打球に角度をつくのを待つばかり。愛妻とまな娘に贈る“パパ1号”の時は確実に近づいている。(中村 晃大)