【柔道全日本選手権】永山竜樹「さすがに重すぎた...死を覚悟した」100キロ差対決に敗れ苦笑い
2025年4月29日(火)13時38分 スポーツニッポン
◇柔道全日本選手権(2025年4月29日 東京・日本武道館)
体重無差別で男子の日本一を決める伝統の大会が行われ、60キロ級パリ五輪銅メダルの永山竜樹(29=パーク24)は、1回戦で体重160キロの入来巨助(筑波大4年)に敗れた。
今大会の出場最重量選手vs最軽量選手。体重差約100キロ、身長差26センチという無差別級ならではの戦いに、両者が登場すると場内はどよめいた。開始早々、永山が巴投げを仕掛けにいって少し浮かせるも決まらず。先に相手に指導が与えられて迎えた1分44秒、入来の左からの豪快な払い腰で永山は宙を舞った。
初戦敗退となった永山は「さすがに重すぎてビックリしました」と苦笑い。一度投げられそうになってこらえた場面を振り返り「衝撃が重すぎて…死を覚悟しました。本当に怖かったです」と戦いの壮絶さを表現した。今大会は組んだ状態からの足取りが認められているため勝機もあるかと思われたが「(相手の)足が重すぎて全然崩れない。足持っても浮かない」と100キロの体重差を跳ね返すには至らなかったようだ。前回出場した2020年は初戦突破していただけに「投げたかったですね。もうちょっと長く戦いたかった」と悔しさもにじませた。
「柔よく剛を制すのが醍醐味(だいごみ)。最軽量級が最重量級に勝ってこそ全日本選手権」と無差別級の試合に挑んできた永山。「全日本選手権という舞台で戦えたことは誇りに思います。60キロ級の選手が160キロの選手に挑むというのは誰もが無謀な挑戦だと思うけど、ケガのリスクや恐怖心もある中で無謀な挑戦を経験したことで人として成長できたかなと思います」。100キロ差に挑んだ経験は、永山の柔道人生に大きな成長を与えた。
次戦は60キロ級で出場する世界選手権(6月、ハンガリー・ブダペスト)。「重量級と練習しまくってかなり体も鍛えられた。60キロ級で世界チャンピオンになって自分が一番強いと証明したい」と意気込みを語った。来年の全日本選手権については「チャンスがあれば挑戦したい」と前向き。「次はもうちょっと…100キロ級とか超級でも110キロぐらいの選手と戦いたい」と笑った。