【天皇賞・春】坂口調教師「何とか勝てるように」 サウジアラビアの重賞制覇で勢いに乗る4歳馬が史上初の快挙に挑む

2025年4月30日(水)6時0分 スポーツ報知

春の盾初参戦となるビザンチンドリームと坂口調教師(カメラ・岩田 大補)

◆第171回天皇賞・春・G1(5月4日、京都競馬場・芝3200メートル)

 伝統の長距離G1、第171回天皇賞・春は5月4日、京都競馬場の芝3200メートルで争われる。サウジアラビアの3000メートルG2を制して勢いに乗るビザンチンドリームで初参戦するのは、坂口智康調教師(44)=栗東=。帰国初戦で春の盾を手にすれば史上初の快挙だ。

 夢を乗せて、伝統の長距離G1に挑む。坂口調教師が天皇賞・春に送り出すのは、サウジアラビアのG2、レッドシーターフHを制したビザンチンドリームだ。海外帰り初戦で勝てば史上初。「大きいレースを何とか勝てるように」と静かに熱を込める。

 鮮やかな勝利だった。後方で待機し、仕掛けたのは2度目の3角過ぎ。外から一気に先団をのみ込むと、残り1ハロン手前で独走態勢に入った。「なかなかできる勝ち方じゃない。(斤量)60キロであの競馬をしたのは大きい」。指揮官にとっても海外重賞初Vで、「一緒に見ていたみんなで喜びました」と、ほほ笑んだ。

 順風満帆ではない。育成時期に故障し、調教が他馬より約半年遅れた。預託が決まったのは2歳春だったが、入厩時から「動きがいいし、心肺機能が高そう」と素質の片りんがあった。新馬戦、きさらぎ賞と連勝。ともに出遅れからの末脚一気で「能力だけで走っていた」と振り返る。

 ゲートなどの課題が露呈し、皐月賞は13着、日本ダービーは17着と大敗。成長を示したのは、秋初戦の神戸新聞杯だった。発馬を決めて折り合い、後方から6着まで追い込んだ。「普通に競馬できるようになったのが大きい。精神的にも肉体的にもしっかりしてきた」。その進歩が、サウジでの復活星として結実した。

 坂口師の父は、香港Cとイスパーン賞・仏で海外G12勝のエイシンヒカリなどを手がけた正則元調教師。その影響で幼少期からどっぷり競馬につかり、調教師を夢見ていた。春の盾と言えば「すごくフットワークが大きくて、好きな馬だった」というサクラローレルが勝った96年を思い出す。助手時代も含め、携わった馬の出走は今回が初だ。「まずいい状態で送り出せるようにしないといけない。結果は後でついてくるんでね」。原石からダイヤになりつつある愛馬と、栄冠をつかむ。(水納 愛美)

 ◆坂口 智康(さかぐち・ともやす)1981年2月6日、滋賀県生まれ。44歳。08年から父・正則元調教師のもとで勤務。19年に定年引退した父の厩舎を引き継ぎ開業した。同年のかきつばた記念・Jpn3(ゴールドクイーン)で重賞初制覇。JRAでは22年阪神スプリングJ・JG2(エイシンクリック)、24年きさらぎ賞・G3の重賞2勝を含む通算77勝。

スポーツ報知

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