巨人・浅野翔吾が3軍降格、識者が指摘する「高いプライド」 打撃不振で「精神的にやられたかな」
2025年5月1日(木)17時30分 J-CASTニュース
プロ野球DeNAの元ヘッドコーチで野球解説者の高木豊氏(66)が、2025年4月30日にユーチューブを更新し、巨人・浅野翔吾外野手(20)の現状を独自分析した。
「『ガタガタだぞ』という噂を聞いた」
プロ3年目の浅野は、今シーズン開幕1軍を目指していたが、オープン戦で打撃不振に陥り、2軍で開幕を迎えた。
打撃不振は深刻で、2軍でも結果を残せなかった。20試合に出場して打率は1割にも満たない.091。本塁打ゼロ、6打点と調子が上がらず、25日に3軍降格となった。
スポーツ各紙によると、4月27日に行われた独立リーグとの交流戦に「1番・ライト」で先発出場。7回1死満塁の場面で、直球をバックスクリーンに叩き込んだ。この日は満塁弾を含む2安打6打点を記録した。
高木氏は浅野の3軍降格について「精神的にやられちゃったかな」と切り出し、こう分析した。
「キャンプの時は、生き残りをかけてすごく頑張っていた。レギュラーになるのではとか、いろいろ言われていたが、開幕から1軍を外れて病んでしまったのかと思うくらい調子が上がらない。『ガタガタだぞ』という噂を聞いた。少しずつ持ち直しているようだが。ホームランを打ったりして。3軍に落ちるような選手ではない。落とさなくてはならない何かといったら、精神的な部分が作用したかなと思う」
そして、打撃不振を独自の視点で次のように分析した。
「浅野はプライドが高いと思う。ドラフト1位だし。焦りはある。焦りからとんでもない球に手を出すとか。打たなければいけないという焦りが先行して、まったく思考が動いていないとか。そういう悪循環をおこしていると思う」
「求められているものは長打というよりも勝負強さ」
この流れの中、アシスタントから「本塁打が復調の兆しになるのか?」と質問されると、高木氏は、こう答えた。
「浅野みたいなタイプは、ホームランはたまに打てばいいだけの話で、満塁ホームランよりヒット3本の方がいい。4打数1安打だとなかなか乗り切れない。それがホームランであっても。コンスタントに(ヒットを)2本、3本。マルチ(ヒット)を必ず続けるとか。そうしていかないと、なかなか(1軍から)お呼びがかからない」
高松商業高校出身の浅野は、22年ドラフト会議で巨人から1位指名されて入団。身長171センチ、体重86キロと小柄ながら高校通算68本塁打を記録した。
ルーキーイヤーの23年は24試合に出場して1本塁打、2打点。24年は40試合に出場して3本塁打18打点を記録した。
巨人首脳陣は浅野にどのようなことを期待しているのか。高木氏は「あの体のサイズからすれば、ホームランとなってくると辛くなる。まさか望んでいないと思うが。高校野球でホームランを打ってきて、チームを勝たせてきた自負がある。そこにプライドが成り立っている」と私見を述べ、こう続けた。
「(浅野に求められているものは)長打というよりも勝負強さだと思う。彼は、本来勝負強い。それをホームランという結果で答えを出すのか、それとも2塁打なのか。決勝タイムリーで答えを出していくのか。体への負担が全然違ってくる。精神的な負担もそう。彼を小さく育てるのではなくて、いやらしいバッターになってほしい」
高い身体能力とパンチ力を持ち合わせる浅野。プロ3年目の今シーズン、どのようなパフォーマンスを披露するのか。注目が集まる。