ソフトバンク 96年“生卵事件”以来の4月最下位 小久保監督「気持ち切り替えてやる」
2025年5月1日(木)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク1-6日本ハム(2025年4月30日 みずほペイペイD)
ソフトバンクは今季2度目の4連敗で4月終了時点ではダイエー時代の1996年以来29年ぶりの最下位に沈んだ。打線は山川穂高内野手(33)が、左太腿裏の張りを訴えて2点差の7回守備から途中交代。大事には至らなかったが、主砲を失った打線は4回に相手エラーでの1点のみで追い上げならなかった。小久保裕紀監督(53)は試合後、緊急ミーティングを開催し、切り替えを強調した。
故障者が続出している負の連鎖がチームを襲った。1—3のビハインドで迎えた7回の守備に一塁を守っていた山川が姿を現さなかった。4回の守備中に左太腿裏に張りを感じたためで、連敗中のチームは主砲を欠いての追い上げを余儀なくされた。
結局、得点は相手の適時失策による4回の1点止まり。投手陣も4回途中から2番手・松本晴をつぎ込む早めの継投で粘ったが、終盤にも追加点を奪われて1—6の敗戦となった。これで2カード連続の負け越しが決定。本拠地は2勝10敗1分けと散々な成績だ。今季早くも2度目の4連敗で借金はワーストの6となった。
4月終了時点での最下位は、5月9日に日生球場の近鉄戦で怒ったファンが帰りのチームバスへ生卵を投げた“生卵事件”が起きた1996年のダイエー(7勝16敗)以来29年ぶりの屈辱。苦しい滑り出しに小久保監督は「また、明日から新しい月が始まる。今から選手たちに話をします。気持ちを切り替えてやります」と、試合後に緊急ミーティングを敢行。かねて伝えてきた「今いるメンバーがベスト」であることを再確認した。
幸い試合後の主砲は大事を取っての措置だったことを明かした。苦渋の決断でもあった。「強めに張ってしまった。行けるとは思いましたし、無理をしたいところですが、明日以降しっかり出るために」。29日に右膝痛で周東が登録抹消されたばかり。開幕から近藤、柳田、正木と主軸を打ってきた選手が次々と離脱してきた。昨季、全143試合に出場した4番は打線に欠かせない。
「出ますよ。そのつもりです」。きょう1日に向けて、こう口にした背番号5は「なかなかチームも勝てず、自分が打っていればという4月だった。ただ、あと5カ月続くので。このまま終わるつもりはないですし、この気持ちは最後まで折れることはないので。必ずひっくり返すと思っています」と巻き返しを誓った。
王球団会長も「明日から変えよう!」と力強く口にして球場を後にした。苦しい小久保ホークスだがまだシーズンは序盤。何とか立て直して昨季の王者の意地を見せていく。 (木下 大一)
【ソフトバンクの主な野手の故障者(出場選手登録中も含む)】
▽栗原 3月11日の巨人とのオープン戦で右脇腹を負傷。4月17日の楽天戦で復帰
▽柳田 4月11日のロッテ戦で自打球を受け、右脛骨骨挫傷と診断される
▽近藤 開幕前に腰痛を発症。ロッテとの開幕3連戦(3月28〜30日)には出場するも痛みが再発。4月2日に外側型腰椎椎間板ヘルニアの摘出術を受ける
▽正木 4月18日の西武戦で左肩を亜脱臼。30日に手術し、全治5〜6カ月
▽周東 昨オフに手術した左膝の痛みが再発して4月18、19日の西武戦を欠場。23日のオリックス戦で右脚に死球を受けた影響で25〜28日の楽天戦を欠場
▽今宮 コンディション不良(箇所は不明)で26、27日の楽天戦を欠場