フロジノーネが5年ぶりのセリエA昇格を決める! グロッソ監督「忘れることのない出来事」

2023年5月2日(火)21時18分 サッカーキング

フロジノーネを率いるグロッソ監督 [写真]=Getty Images

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 フロジノーネは5月1日、今季のセリエBを2位以内でフィニッシュすることが確定し、2018−19シーズン以来5シーズンぶりとなるセリエA昇格を決めた。

 セリエB第35節が5月1日に行われ、首位を走るフロジノーネはホームでレッジーナと対戦。試合は31分、左サイドからのクロスボールをジェンナーロ・ボレッリが頭で押し込んでフロジノーネが先制。42分には、現在トロント所属のロレンツォ・インシーニェの弟として知られているロベルト・インシーニェがPKで追加点を挙げ、2点をリードしてハーフタイムに突入した。後半に入ると1点を返されたものの、57分にはジュゼッペ・カソが再びリードを広げる3点目をマーク。試合はこのまま3−1でタイムアップ。この結果、勝ち点を「71」まで伸ばしたフロジノーネが3試合を残して来季のセリエA昇格を決めていた。

 現在フロジノーネを率いているのはファビオ・グロッソ氏。現役時代にパレルモ、インテル、ユヴェントスなどの国内クラブだけでなく、リヨンでもプレーした左サイドバックは、イタリア代表の一員としてFIFAワールドカップドイツ2006で優勝を経験。準決勝のドイツ代表戦では延長後半に試合の均衡を破るゴールを決めるなど、主力として母国のワールドカップ制覇に貢献していた。2012年に現役を引退してからは指導者の道を歩み、2021年3月よりフロジノーネで指揮を執っていた。

 試合後、フロジノーネはクラブ公式HPを通してグロッソ監督のコメントを紹介。「今日は長い1日だった。様々な感情があったが、選手たちは素晴らしいプレーをしてくれたね。美しいことを成し遂げることができた」と昇格を喜んだだけでなく、現役時代のワールドカップ優勝と比較しての感情も明かしている。

「あの時の勝利から長い年月が経ったが、今回のことも私にとって決して忘れることのない出来事となった。我々は常に自分たちの最大限の力を発揮する準備をしてきた。選手と監督とでは求められる役割が違う。複雑な物事を組み合わせていかなければならないが、だからこそ最後の感動や達成感は大きかった。我々は常に目標達成を信じ、最終的には最高の選手たちと共にやり遂げることができた。今日がその日となり、素晴らしいものを作り上げられたね」

 また、グロッソ監督はファン・サポーターに向けてもメッセージを発した。「『ありがとうございます』という想いしかない。私はここで最高の人々に出会うことができた。それはもちろん、我々を全力で支え、心から応援してくれるあなたたちのことだ」と感謝の想いを伝えただけでなく、就任当初を振り返って「私がここに来た時はクラブにとって難しい時期だった。だが、2年前のキャンプにも今と変わらず多くのファンの方々が駆け付けてくれたね。これほどの愛着や情熱を感じたことは今までなかったんだ。本当に嬉しかった」と話している。

 ちなみに、対戦相手であるレッジーナを率いるのはフィリッポ・インザーギ氏。現役時代にミランやユヴェントスで活躍したインザーギ氏は、前述のワールドカップにも“スーパーサブ”として招集されていた。“アズーリ”の一員として世界王者に輝いた2名が、偶然にも昇格の懸かった一戦で相見えることに。試合後、インザーギ監督はかつてのチームメイトに祝福の言葉を贈っている。

「フロジノーネはイタリアサッカー界のちょっとした白眉だ。昨季は最終的に(プレーオフ圏外の)9位となったが、目前の勝利に固執しすぎず、チーム全体の積み上げを最優先していた。そして今年、彼らは昇格だけでなくリーグ制覇にも王手をかけている。友人であるファビオ、そしてクラブが犠牲を払って成し遂げたことを祝福するよ。彼は私の考えに大きな影響を与えてくれた」

 フロノジーネは長らくセリエC1やC2(当時)など下位リーグを主戦場としていたが、2005−06シーズンのプレーオフを勝ち抜き、クラブ史上初のセリエB昇格を達成。2014−15シーズンにはセリエBを2位で終え、セリエA昇格を果たしていた。これまでに2015−16シーズン、2018−19シーズンと2度のセリエAに挑戦しているが、双方ともに1年での降格が決まっていた。グロッソ監督率いる現在のチームは、来季のセリエAでまずはクラブ史上初の残留を目指すこととなる。

サッカーキング

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