電撃的な広島復帰はありえるか “事実上の戦力外”となった前田健太の今後のカギは「契約事情」と「金銭的なリスク」
2025年5月3日(土)6時30分 ココカラネクスト

37歳にして苦境に立たされた前田。そのキャリアの岐路でカギとなるのは——。(C)Getty Images
ベテランに非情な宣告が下された。現地時間5月1日、タイガースは前田健太に対してメジャーリーグの出場前提となる40人枠のロースターから外す措置(DFA)を取ったと公表した。これによって37歳の右腕はいわゆる“事実上の戦力外”となった。
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15年オフにポスティングシステムでドジャース入りを果たしてから10年。節目の年に待っていたのは、シビアな決定だった。
23年オフにタイガースと2年2400万ドル(約35億円)で合意していた前田は、今季が契約最終年となっていたが、開幕から成績が低迷。「いくつかの微調整をし、適応させようとしたが、彼からは何も出なかったし、結果も出なかった」と語ったAJ・ヒンチ監督からのチャンスも限られ、中継ぎとして7試合に登板して、防御率7.88、WHIP1.88と低調なパフォーマンスに終始していた。
気になるのは、今後の動静だ。ひとまず前田は、7日以内にトレードされるか、ウェーバーにかけられて獲得を希望する球団があれば移籍、獲得球団がない場合にはFA、もしくはマイナー契約を結ぶことになる。
ただ、そこには37歳の抱える苦しい現状もある。仮にトレードが実施される場合には、獲得球団が残り契約分の約800万ドル(約11億6000万円)を支払わなければならないのだ。決して小さくない負担額となるため、米球界において“現状のまま”新たに買い手がつくかは不透明とされている。各国球界のありとあらゆる移籍情報を発信している専門サイト『MLB Trade Rumors』は「どのチームもこれほどの金額を引き受けたいとは思わないだろう」と分析している。
では、FAとなった場合にはどうなるか。一部ではツインズからFAになった23年のオフから囁かれている古巣・広島への復帰が声高に叫ばれているのだが、現時点でそれも非現実的と言わざるを得ない。『MLB Trade Rumors』は「仮にマエダがFAになった場合、獲得したチームはロースターに登録された期間に応じて最低年俸しか払わなくて良い」とメリットを記し、前田の米球界生き残りの可能性を綴っている。
「FAになった場合には、マエダへの支払いはタイガースの負債から差し引かれる。獲得する側にとって金銭的なリスクがないため、このシナリオに興味を持つ球団も出てくる可能性がある。複数球団が負傷者の増加に悩まされており、いずれかの球団が彼と契約するかもしれない」
今オフに「もう一度日本でやりたいとずっと言ってるし、しっかりパフォーマンスを出せる状態で戻らないとチームに迷惑をかける」と公言していた前田。日米通算200勝まで「35」と迫る男は、電撃的な日本球界復帰を果たすのか、それともメジャーでの再起を模索するのか。いずれにしても、その去就は小さくない話題となりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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