巨人・赤星優志、前回KO後に阿部監督が助言 進化したフォームで今季最長7回0封

2025年5月4日(日)5時15分 スポーツ報知

DeNA戦で7回無失点の力投を見せた先発の赤星(カメラ・小林 泰斗)

◆JERA セ・リーグ DeNA1ー0巨人(3日・横浜)

 気持ちで負けていなかった。強く、深く、巨人・赤星優志投手(25)が左足を踏み込んだ。0—0の7回2死一、二塁。最後は蝦名を低めフォークで三ゴロに封じ、救援陣に後を託した。打線の援護なく、プロ4年目でのDeNA戦初勝利はならなかったが、今季最長の7回を投げ5安打無失点4奪三振。「何とかゼロで抑えられたのは良かった」と先発の役目を完璧に果たした。

 サイ・ヤング賞右腕と堂々の投手戦を繰り広げた。最速152キロの直球は最後まで威力があり、スライダー、フォーク、カーブなどを甲斐の要求通りに散らした。「相手も素晴らしい投手だったので『何とか点を取られないように』ってことだけを考えて。守備の好プレーにも何度も助けられた」。開幕から5試合続けていた連続無四死球は2回2死二、三塁の申告敬遠で途切れたが、バウアー相手に一歩も引かなかった。

 目を覚ましてもらった。4回4失点で3敗目を喫した4月25日の阪神戦後。阿部監督に呼ばれた。「バッターに向かっていく姿勢が減ってるんじゃないか?」。「脱・普通」を目指し、2月のキャンプ中にフォーム改造を勧めてくれた指揮官の一言で思い出した。インステップをより意識し、荒々しく腕を振る。向かっていくことで踏み込みは強くなり、自然と体も沈み込んだ。前回よりもリリースの位置は低くなり、進化したフォームでDeNA打線を牛耳った。

 「どんどん真っすぐで押していけたのが良かった。前回甲子園で負けてますし、阿部さんの話で修正をしてきた。腕を下げた意識はなかったんですけど、自分の中で変えたところはある。それが出た」。抜群の制球力を誇る男が与四球3。それでもホームを踏ませなかったことが答えだった。

 雨天中止によるスライド登板をものともせず、ハイテンポな投げ合いで球数は98。阿部監督も、赤星を中心とした投手陣の踏ん張りには感謝した。「まだまだこれからにはなりますけど、次のイニングを任せてもらえるように、これからもっともっと頑張らないといけないなと思いました」。ここまで6先発で防御率2・18。白星はつかめなくとも、存在価値を証明するマウンドだった。(堀内 啓太)

 【高木豊氏Point】 赤星は抜群のコントロール。高めにはいかない安心感があった。左打者へのカットボール。右打者へのシュートが特に良かった。内角に食い込むボールを、打者は意識せざるを得ない。内角を意識するから、外の変化球も決まる。ピッチングの幅も広がった。左打者の膝元へのカットボールなんて、なかなか打てないよ。DeNA打線も当たってなかったし、この日の赤星なら1点あれば勝てると思っていた。勝たせてやりたかったね。(スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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