巨人・阿部監督が10秒以上うつむいた「セーフティーバントを決めてうれしくなっちゃって、走塁がおろそかに」…盗塁失敗も3度

2025年5月4日(日)5時0分 スポーツ報知

1回、二塁盗塁を失敗する泉口(カメラ・中島 傑)

◆JERA セ・リーグ DeNA1ー0巨人(3日・横浜)

 巨人は足攻が空回りして、DeNA・バウアーに来日初完封を許した。初回から積極的に盗塁を仕掛けるもことごとく阻まれ、1試合で「盗塁死3で成功0」はチームとして47年ぶりだった。6安打を放ちながら、送りバントで走者が進塁できないなど痛恨のミスも。7回無失点と好投した赤星を援護できず、今季3度目の零封負けとなった。連勝は4でストップ。阿部慎之助監督(46)は苦い敗戦を糧にするよう求めた。

 「足」で先へ進めず、今季最長だった連勝の道も4で止まった。バウアーに来日初完封を献上。阿部監督がベンチで10秒以上もうつむき、落胆の色を隠さなかったのは、両軍無得点で迎えた6回のプレーだった。先頭・萩尾がセーフティーバントによる内野安打と敵失で無死二塁。この試合初めての得点圏も、赤星のバントで三塁へ進めなかった。「セーフティーバントを決めてうれしくなっちゃって、走塁がおろそかになっちゃったね」。あの時間は指揮官流の“アンガーマネジメント”だったのだろう。試合後は一転、淡々と指摘した。

 バントは投前への小飛球。一塁手・佐野が2バウンドでさばいたが、萩尾は三塁へ進まず止まり、二塁へ帰塁した。三塁へ進んでほしかったかと問われ、「それはそうだよね。バウアーも佐野君も守備が抜群にうまいかといったらそうではないと思う」と阿部監督。結果的に得点圏に走者を置いたのはこの場面だけ。難しい判断だったが、期待値も高いからこそ、状況などを頭に入れながらアクションを起こすことが求められた。

 好機をつくったのも萩尾自身。今回の経験を糧とし、成長につなげる。本人は「(打球が)上がったのに対して固まってしまったのはある。もっと冷静さと周りを見てやるべきだったかなと思います」と反省し、「技術的にも精神的にも成長したい」と口にした。

 この日は盗塁死も初回の泉口、4回のキャベッジ、7回の岡本の3度。5回先頭では岡本が左越えの安打を放ったが、二塁到達時にスライディングの反動でベースから足が離れ、リプレー検証の末にアウトになる場面もあった。成功ゼロでの1試合3盗塁死以上は78年9月9日・広島戦以来球団47年ぶり。バウアーには過去2戦2勝、4月には5回5得点でKOしたが、常に打てるとは限らない。ハイテンポで投げる右腕のリズムを崩す意味でも仕掛けたが、紙一重で裏目に出た。

 「そこ(盗塁)で流れが切れちゃったのもあるし、ちゃんと準備して走れたかっていうね。そこは次につなげてほしい。またチャレンジしてほしい」。就任時から掲げるのはミスを恐れず“暴走族になる”ほどの積極走塁。決して責めはしなかった。

 今季初昇格した秋広も5回の守備から起用して1打数無安打だったが、局面打開へタクトを振った。7回零封の赤星らを「投手陣は頑張ってくれた」とねぎらい、「明日頑張ります」と前を向いた。ゴールデンウィークはここまで3勝1敗で折り返し、残り4戦。また1つずつ白星を重ねる。(田中 哲)

 【記録メモ】巨人は1回に泉口、4回にキャベッジ、7回に岡本と3度の盗塁失敗。球団で1試合3以上の盗塁失敗は、11年8月28日の広島戦(マツダ)の3(成功は2)以来14年ぶりだ。この日と同じく成功0で失敗が3以上となると、78年9月9日の広島戦(広島市民)の3以来で47年ぶりとなる。今回の試合で3度の盗塁を刺された松尾には8回に決勝犠飛を献上。巨人が捕手に3度以上盗塁を阻止されて、V打献上は初となった。

スポーツ報知

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