カルデナスは「キャリア最高のパフォーマンスを披露した」 井上尚弥に善戦で「試合が進むにつれ評価は急上昇」と米メディアも賛辞
2025年5月5日(月)16時50分 ココカラネクスト

強烈なパンチを持っていたカルデナス。2回には井上からダウンを奪った(C)Getty Images
挑戦者の奮闘もスポットライトを集めた。
現地時間5月4日(日本時間5日)、プロボクシングの世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチが米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで行われ、統一王者の井上尚弥(大橋)が4度目の防衛を果たした。WBA同級1位のラモン・カルデナス(米国)を相手に、8回45秒TKO勝ちという結果に終わっている。下馬評通り王者がベルトを守ったものの、試合序盤には米国の観客が大いに沸く場面も起きるなど、激しい攻防が繰り広げられる熱戦となった。
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予想に反して、先にダウンを奪ったのはカルデナスだった。2回、ガードを固めていたカルデナスが放った左フックが、井上の顎にヒット。ラウンド終盤で王者に膝をつかせた。このラウンドではカルデナスが積極的な攻めをみせており、ジャブやストレートが何度か井上の顔面をとらえた。
だが3回以降では、冷静さを崩さない井上が優位に立つ。カルデナスに対し的確に左右のパンチを上下に打ち分け試合の流れを引き戻すと、7回には右ストレートでダウンを奪い返す。続く8回でも連打を浴びせ続け、最後はコーナーに追い詰めてのラッシュにより、レフェリーが割って入った。井上のTKO勝ちが宣告されている。
終わってみれば“モンスター”が戦前の予想通り勝利を収め、観客の熱量からもその人気が米国でも絶大であることが示された一戦だった。それでも、カルデナスの善戦を称える声も現地では伝えられている。
試合終了直後、米メディア『The Sporting News』がこの一戦の試合経過を報じるトピックを配信。その中で、「カルデナスはキャリア最高のパフォーマンスを披露し、イノウエの攻撃を耐えながら合間にパンチをヒットさせた。中にはイノウエを不意打ちするような一撃もあり、2ラウンドではイノウエをダウンさせる場面もあった」などと振り返っている。
さらに、序盤での意外な展開に、「世界中の観客はカルデナスがイノウエに立ち向かう姿を驚きと共に見守った」などと綴るとともに、「試合が進むにつれてカルデナスの評価は急上昇したが、イノウエが主役の座を譲ることはなかった」と指摘。中盤以降はチャンピオンが優勢だったと説き、フィニッシュシーンもレポート。「止めるのが早すぎたという声もあるが、結果としては止められるべくして止まった印象だ」などと評している。
現地メディアの見解の通り、井上を相手に観る者を驚かせる戦いを演じたカルデナス。絶対王者に真っ向から挑み、自身のファイターとしての価値を高めた一戦となった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]