衝撃ダウンからの挽回劇! 井上尚弥、戦慄のTKO劇に米愕然「負けるかと思われたが、イノウエのパワーは異次元だった」
2025年5月5日(月)12時56分 ココカラネクスト

カルデナスをパワーで圧倒した井上。(C)Getty Images
結果はもちろん、圧倒的な内容をも求められた一戦で、井上尚弥(大橋)は図抜けた力を見せつけた。
現地時間5月4日、米ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われた世界スーパーバンタム級4団体統一タイトルマッチ12回戦で、統一王者の井上は、WBA同級1位のラモン・カルデナス(アメリカ)と対戦し、8回で完勝を収めた。
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井上にとって21年6月のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦以来となる“ボクシングの本場”での一戦。対するカルデナスも直近14戦無敗(5KO)という水準以上の技量を備えていたわけが、「何を求められているかは十分承知の上で来ているので、『シンコ・デ・マヨ』の5月4日は期待通りのボクシングを見せたい」と意気込んでいたモンスターは格の違いを見せつけた。
初回からガードを固めるカルデナスに対して、積極的にジャブを繰り出していった井上だったが、主導権を握りかけた2回にカウンター気味に繰り出された左フックを被弾して衝撃のダウン。まさかの先行をされてしまう。
まさかと言える展開に場内が騒然となる中、4回から井上はカウンター対策を取りながら応戦。時折、カルデナスの強いフックにヒヤリとさせられる場面はあったものの、ボディを軸に攻め立てて、主導権を奪い返すと、7回には右ストレートでダウンを奪取。8回には猛ラッシュで相手の動きが止まったところで、レフェリーが試合をストップ。見事に逆転勝利を挙げた。
このスリリングな展開に米メディアでも衝撃が広まった。2回のダウンシーンについて米専門メディア『Uncrowned』は「ボクシングファンにとって、信じられない瞬間」と描写。その上で試合を立て直して仕留めた井上を「負けるのかと思われたが、イノウエのパワーは異次元で、あらゆる面で問題を引き起こしていた。彼だけは苦境にあって別の考えをもっていた」と絶賛した。
試合前には米スポーツ専門局で、試合の中継も担った『ESPN』の実況のバーナード・オスナ氏は、「まだイノウエに懐疑的なアメリカ人はいると思う」と語っていたが、カルデナスを逆転して沈めたことで、ボクシングの本場で渦巻いた懐疑論を吹き飛ばしたと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]