尚弥 世界5階級制覇へフェザー級挑戦!偉業“先輩”ドネア氏「今の肉のつき方を見ると...」
2025年5月6日(火)5時45分 スポーツニッポン
◇プロボクシング 世界4団体スーパーバンタム級タイトルマッチ 統一王者井上尚弥(大橋)<12回戦>WBA同級1位ラモン・カルデナス(米国)(2025年5月4日 米ネバダ州ラスベガス T-モバイル・アリーナ)
モンスターはどこまで歴史をつくり続けることができるのか?2人のレジェンドボクサーがスポニチの単独取材に応じ、井上の今後を予想した。2度の激闘を繰り広げた元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(42=フィリピン)は、井上が最終目標とするフェザー級より上の階級挑戦には否定的。元3階級制覇王者アントニオ・バレラ氏(51)は自身が手がけるWBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(31=メキシコ)との激突を期待した。
32歳とキャリアの集大成に入る井上は「最終目標としてフェザー級はチャレンジしていきたい」とゴールを位置づける。12月にはWBA世界フェザー級王者ボールとの対戦が計画されており、今後は5階級制覇の準備に入ると予想される。
井上が最初に世界を獲得したライトフライ級は、リミットが48・9キロで、フェザー級は57・1キロ。体重差は8・2キロもある。5階級制覇を達成しているドネアは、井上のフェザー級転向について、「やってみないと分からない」という前提のもとで、こうも話した。
「すでに、かなりがっちりとした体になっている。今の肉のつき方を見ると、これ以上、階級を上げたら、少し難しくなりかねないとは思う」
身長1メートル65の井上は、バンタム級が適正階級とも言われた。体格差はもちろん、パンチ力の違い、筋力増加によるスピードの低下が一般的に懸念されるからだ。だが、スーパーバンタム級の体をつくり直し、同階級でもずばぬけたパワーとパンチ力を証明してきた。
フェザー級でも、同様に筋力アップを図ると考えられるが、より懸念されるのが体格差だ。1メートル57のボールは別として、WBC王者フルトンは1メートル70、IBF王者レオは1メートル68、この日の前座に登場したWBO王者エスピノサに至っては1メートル85の長身だ。
ドネアの懸念は、この体格差にあると思われる。ダウン経験のなかった井上が、スーパーバンタム級では2度目のダウンを喫した。圧倒の時代から、激闘のフェーズへ——。フェザー級では体のパワー、パンチ力だけでなく、体格の違いをどう克服していくかも、井上の集大成ロードの見どころになる。
◇ノニト・ドネア 1982年11月16日生まれ、フィリピン・ボホール州出身の42歳。11歳で渡米して01年2月プロデビュー。フライ、スーパーフライ、バンタム、スーパーバンタム、フェザー級で5階級制覇。アジア人初の主要4団体での世界王者。50戦42勝(29KO)8敗。身長1メートル70の右ボクサーファイター。