大谷の9号本塁打をキャッチしたド軍スタッフが異例の“一夜明け会見”「本当に興奮しました」
2025年5月7日(水)6時43分 スポーツニッポン
ドジャースの大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)のマーリンズ戦で放った9号本塁打を、ブルペン内でキャッチした球団のフィジカルセラピスト、ジョナサン・アーブさんが、一夜明けた6日(同7日)にメディア取材に応じた。
打球をキャッチしたことには「翔平が打ったボールがこちらにまっすぐ飛んできて、すごくパニックになりました。すぐに“フェンスの外に手を伸ばしてプレーの妨害をしちゃいけない”と自分に言い聞かせました」と興奮冷めやらぬ様子。グラブをいつ手にしたかについては「翔平が打った直後です。“これはリアルだ”と感じました。毎日グローブは持って行ってるんです、いつこんなことが起こるかわからないから。本当に興奮しました」と振り返った。
ただ、弾丸アーチの打球速度は本塁打としては今季メジャー最速の117・9マイル(約189・7キロ)を計測しただけに「1秒もかからずにこっちに届いたように感じました。でも、ライナーでよかったです。もしフライだったら、考える時間ができてしまって、絶対に落としてたと思います。ただの反射的な動きだったから、あれでしか捕れなかったと思います。正直なところ、捕れるかどうか分からなかったんです。僕は運動神経が悪いので。これまでの人生で、あんなに自分の方に向かって強く打たれたボールは見たことがなかったです」と生々しい瞬間を説明した。
グラブは23年限りで現役引退した元ドジャースのメジャー通算68勝68敗1セーブ、防御率3・95の左腕、ダニー・ダフィー投手(36)からもらったものだそうで「(ダフィーには)ビデオを送って“あなたのグラブは今でも現役だよ”って伝えました」と言って笑った。
ドジャースの中継局「スポーツネットLA」でリポーターを務めるキルステン・ワトソンさんによると、ドジャースのブルペン陣の間では『コールショット』と呼ばれる予想ゲームが行われているという。投球、打撃、どんな状況でも、予想を的中させれば、どれだけ正確に当てたかによってポイントがもらえるというもので、アーブさんは“大谷選手のホームラン球をキャッチする”と宣言し、見事その予想を的中したという。
アーブさんは「“キャッチしてコールした”ことでゲーム内で10ポイントもらいました。それで、今シーズンのトップに立ちました。もしキャッチを試みて落としていたらマイナス5ポイントなんです。だから、絶対に捕らなきゃいけなかったんだ」と矢継ぎ早に話した。「僕はこのゲームがめちゃくちゃ下手で有名なので、このリードを何とか保ちたいですね」というのが興奮が収まらない原因だったようだ。
チーム内での役割については「実は私は理学療法士なんです。だから、選手がケガをしたり治療が必要なときには、サポートチームの6人のうちの一人として手助けをしています」と説明したアーブさん。最後に、キャッチしたボールをどうするかを問われると「彼(大谷)に返した方がいいのかもって感じています、あれは彼のホームランですから。僕のじゃないですし」と満面の笑顔で話していた。