横浜 松坂大輔以来の新チームから負けなし25連勝で春季神奈川県大会優勝

2025年5月8日(木)6時0分 スポーツ報知

春季神奈川県大会決勝戦、延長10回、タイブレークの末サヨナラ勝ちした横浜ナイン(カメラ・堺 恒志)

◆春季高校野球神奈川県大会▽決勝 横浜5x—4東海大相模=延長10回タイブレーク(7日・横浜)

 センバツ覇者の横浜が東海大相模を相手に延長10回サヨナラ勝ち。昨秋の新チーム発足からの公式戦連勝を「25」とし、7年ぶり14度目の優勝を遂げた。無傷の公式戦25連勝で春の神奈川の頂点に立つのは、松坂大輔(元西武)らを擁し驚異の公式戦44連勝を成し遂げた98年以来。17日から茨城で開催される関東大会でも連勝を伸ばしにかかる。

 三塁走者の奥村頼人投手(3年)が、両手を上げてサヨナラのホームを踏んだ。迎えた横浜ナインが、人さし指を立てる「ナンバーワン」ポーズで体をぶつけ合った。4—4の延長10回2死二、三塁。7番・駒橋優樹捕手(3年)が執念で中前に転がし、宿敵・東海大相模の挑戦を退けた。

 喜びの爆発は、苦しみの裏返しでもあった。3回を終えて1—3とビハインドの展開。流れを変えたのは、4回途中から3番手で登板した奥村頼だった。「自分が粘り強く投げれば、必ず勝機は見えてくる」。2番手投手が残した二塁走者の生還は許したものの、6回2/3を4安打5奪三振無失点。延長10回タイブレークの戦いを制する原動力となった。

 19年ぶりの優勝を果たしたセンバツ。しかし、奥村頼にとっては複雑な思いが残る智弁和歌山との決勝だった。10点リードの8回に2点を許し途中降板。優勝投手になれなかった。「自分よがりの投球になっていた。『このチームと一緒に勝ちたい』という気持ちが足りなかった」。勢いを与えた左腕に、スタンドで見守った元監督の渡辺元智氏(80)は「センバツの悔しさをぶつけたような投球だった」とうなずいた。

 これで昨秋の新チーム発足から25連勝。春の神奈川県大会まで公式戦負けなしは、同校では松坂らを擁して甲子園春夏連覇を含む公式戦44連勝を成し遂げた98年以来で、春の県大会決勝の相手が東海大相模という点も重なる。昨年11月の明治神宮大会を優勝した時、奥村頼は「目指すのは44連勝」と大きな目標を口にしたが、今は「連勝記録は意識せず、負けない野球をずっと貫いている」と自然体を強調した。「優勝投手になれなかったことが、自分を成長させてくれた」。心の強さを手に入れたエースの奮投で、また一歩“松坂世代”に近づいた。(浜木 俊介)

 ◆「松坂世代」の公式戦44連勝 松坂が2年生だった97年秋に結成されたチームは、秋季横浜地区予選〈3〉、同神奈川県大会〈6〉、同関東大会〈3〉、明治神宮大会〈3〉と優勝。翌年はセンバツ〈5〉、春季神奈川県大会〈5〉、同関東大会〈4〉、夏の東神奈川大会〈6〉、甲子園〈6〉と勝ち続け、最後は神奈川国体〈3〉も制し、公式戦44連勝を果たした(丸数字は勝利数)。

スポーツ報知

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