【競輪コラム】ファンが増え、選手が奮闘し、またファンが増える 競輪がプラスのスパイラルに入った

2025年5月8日(木)4時40分 スポーツニッポン

 最高の祭典だった。名古屋競輪場で行われた日本選手権競輪。売り上げ165億円超えは前年比108%、目標の150億円を大きくクリアした。

 その売り上げ以上に圧巻だったのが場内の盛り上がり。6日間で4万3800人、最終日は1万4282人が来場。バンクを取り囲むファンからの声援、怒号、拍手。これが開催を盛り上げた。

 明らかに若いファンが増えた。スマホを手に車券談議をしている若者グループ。彼氏が彼女にラインとは何かを教えるカップル。子供を抱っこしながら楽しむファミリーも来場していた。

 ネットを中心とした広告や、ミッドナイト競輪がファンを増やした。そのファンが画面の競輪だけでなく時間的、経済的コストを払って生の競輪を見にきた。“これから”をつくるファンが増えたことは競輪の未来が開けたと言っていい。

 ファンの声援に選手がパフォーマンスで呼応する。決勝と同じくらい盛り上がったのが最終日の4R。骨盤骨折から復帰2場所目だった佐藤慎太郎が先頭でゴールを通過すると、場内からは大歓声。“シンタロウ〜!”のコールに、本人も何度もガッツポーズをして応えた。

 佐藤は言う。「お客さんの凄い声援でグッときた。また頑張らなくてはと。今日の1着でもう一回やろう!という気持ちになった」。ファンの声援が選手を後押しし、競輪をレベルアップさせる。それがまた競輪を好きにさせる。

 競輪は間違いなく人気だ。昨年度のレース売り上げ単価はボートレースを超えた。ネットの売り上げが多くを占めているが、さまざまなコストを払ってでもリアルの競輪を見たいというファンも増えている。今回のダービーを見て、近年の売り上げ増が瞬間的なものではないことを確信した。競輪、最高!(渡辺 雄人)

スポーツニッポン

「競輪」をもっと詳しく

「競輪」のニュース

「競輪」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ