日本ハム・金村 夜王ちゅら腕だ!12勝中ナイターで10勝「夜行性?」名前の由来は琉球の王様
2025年5月10日(土)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 日本ハム2−1楽天(2025年5月9日 エスコンF)
“夜王”襲名だ。日本ハム・金村尚真投手(24)が9日、楽天戦に先発し、9回7安打1失点で完投で今季3勝目を挙げた。過去2勝はいずれも完封勝利で、3完投は両リーグトップタイ。プロ通算12勝目だが、そのうち10勝がナイターと、夜にめっぽう強い右腕の快投で、2位は変わらずも首位・オリックスとゲーム差なしに接近した。
沖縄愛が詰まった音色が本拠地に鳴り響く。1点リードで迎えた9回。金村がマウンドに上がると、この日から新調した登場曲イクマあきらの「ダイナミック琉球」が再び流れる粋な演出で、右腕のボルテージも最高潮に達した。
「ピンチだったが、絶対に点数を与えないという気持ちでいきました」
1死から連続安打で二、三塁のピンチを背負うも、鈴木大を遊飛、村林を三ゴロと気迫で打ち取った。7安打1失点完投で今季3勝目。開幕から3勝全てが完投(完封、完封、完投)で、球団では07年のダルビッシュ(完投、完投、完封)以来18年ぶりだ。今季3完投はリーグトップとなり「昨年までなら8回を投げきり(田中)正義さん頼みます!だった。今日は9回行くぞと言われて“よし”と燃える自分がいたので、そこは成長かな」と笑顔で振り返った。
先月27日のロッテ戦で6回5失点KO。翌日に出場選手登録を外れ、中11日の調整期間で「ローテを回っている時ではできないこと」を試した。伊藤、北山の助言で一塁側の端を踏んでいたプレートの位置を半歩三塁側へ。横振り気味だったフォームを縦振りに意識したことで直球に角度が生まれ、自己最多タイの9三振を奪うなど完全に復活した。
沖縄出身らしく、のんびりした性格で早起きは苦手だが、夜はめっぽう強い。昨季7勝全てがナイターで、今季もこれでナイターは2戦2勝だ。「ナイターはめっちゃ寝られるので。夜行性なんですかね?」とおどける。名前の尚真はかつて琉球王朝を統治した「尚真王」が由来だが、「夜王」襲名の日も近い。
チームは引き分けを挟み2連勝で今季最多タイの貯金4。首位オリックスとのゲーム差はなくなった。新庄監督は「しんじょう(心臓)に悪い試合でした」と冗談交じりにコメントしたが、誰よりも選手の成長を感じている。「(登場曲は)正義さんに勧めてもらった。みんなから好評だったので」と金村。小、中学時代に歌った沖縄民謡。これから、何度も本拠地に響かせる。(清藤 駿太)
≪ナイターは31試合10勝6敗6H、防御率1.96≫
金村(日)が完投で今季3勝目をマークした。金村は通算12勝のうち10勝をナイターで記録。試合開始時間別ではデーゲームの8試合2勝3敗、防御率3.35に対し、ナイターは31試合10勝6敗6H、防御率1.96と結果を残している。