日本ハム・万波 初逆転満弾返し「絶対、打ってやる」前日サインミスで途中交代 2発&6打点の大爆発
2025年5月11日(日)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 日本ハム8−7楽天(2025年5月10日 エスコンF)
満弾返しがさく裂した。日本ハム・万波中正外野手(25)が10日の楽天戦で2年連続2本目の満塁弾を含む2発で自己最多6打点を挙げて逆転勝利に貢献した。4回に逆転され、5回に打ち返して再逆転。満塁本塁打の応酬は通算18度目で双方とも「逆転」は今回が初めてという激戦を制した。両リーグ通じて満弾0本だった前日までから一転、派手な打ち合いで本拠地を沸かせた。
絶対に打つ——。万波は心に決めていた。前日は5回に代打を送られて交代。その前に攻撃時のサインミスを犯していた。通算2本目の満塁弾を含む2発&自己最多6打点で悔しさを晴らした。
「終わったことに対して、どうこう思うことが減ってきた。反省して普通に受け止めて、絶対、打ってやると思っていました」
1—0の2回無死一塁で3試合ぶりの8号2ランを右翼席へ。「下半身の使い方もバットの軌道も全部がうまくいかないと打てなかった」と自賛する一撃で乗った。4回に加藤貴が満塁被弾し、4—6で迎えた5回無死満塁から今度は左翼へ逆転9号。「満弾返し」を決めた。2本とも打った後に笑顔はない。「試合終わるまでは気を抜かずにいきたかった」。中心選手としての振る舞いだった。
両リーグを通じて最初の満塁本塁打が5月に出るのは、コロナ禍で6月開幕だった20年を除けば2リーグ制以降では初のこと。1試合で一気に2本が飛び交った。昨年6月21日の同じ楽天戦では7回にレイエス、8回にフランコが打ち合った末に引き分け。1点リードの9回は1死満塁を抑えて逃げ切り、今回は「ルーズベルトゲーム」で勝利した。
前夜に「しんじょう(心臓)に悪い試合」と言い残していた新庄監督は「パート2やね」と笑った。「(前日に)なんで代えたんだっていう(気持ちから)今日の活躍であってほしい。満塁本塁打を返してくれて、びっくりしましたね」と称賛。引き分けを挟む3連勝で首位・オリックスを0ゲーム差で追走し「逆転し返すのは成長でしかない。あまり負ける雰囲気がない」と目を細める。万波は9本塁打、22打点で2冠に浮上。「感覚はいい。もっとペースが上がってきたらいい」と見据えた。(田中 健人)
≪逆転満塁弾の応酬は史上初≫村林(楽)、万波(日)がともに逆転満塁弾。両軍満塁本塁打の応酬は昨年6月21日に同じカードでレイエス(日)、フランコ(楽)が打って以来史上18度目(パ8度目)。そのうち、両者ともに肩書つきの殊勲満塁本塁打は、60年8月30日の西岡清吉(国鉄=勝ち越し)、井上登(中=同点)、78年7月5日の井上弘昭(中=先制)、掛布雅之(神=逆転)、87年4月19日の衣笠祥雄(広=先制)、原辰徳(巨=逆転)に次ぎ4組目となり、逆転満塁弾の応酬は史上初。