日本ハム・宮西が879試合の最多連続救援登板のプロ野球記録に並ぶ「今も投げられることに感謝」
2025年5月11日(日)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 日本ハム8−7楽天(2025年5月10日 エスコンF)
来月2日に40歳の誕生日を迎える日本ハムのベテラン左腕・宮西尚生投手が、またも偉大な記録に並んだ。10日の楽天戦で1点差に詰め寄られた6回2死二塁から4番手で登板。楽天のドラフト1位・宗山塁内野手(22)を全てスライダーで3球三振に斬り、01〜18年に中日の岩瀬仁紀がマークした879試合の最多連続救援登板のプロ野球記録に並んだ。チームも1点差で逃げ切り、引き分けを挟む3連勝で貯金を今季最多の5とした。
先発に憧れる時期もあった。抑えて当たり前の役割に嫌気がさすこともあった。それでも救援一筋で走り続けた宮西が、ついに最多連続救援登板のプロ野球記録に並んだ。
「いや、先発もやりたかったんですよ?でもね、本当にルーキーの頃からしっかり育ててくれて、今も投げられることに感謝したい」
1点差に詰め寄られた6回2死二塁。斎藤に代わり、4番手でマウンドに上がった宮西は「(斎藤)友貴哉何してんねん!」と心の中で突っ込んだが、ベテランにとっては普段通りだった。「一球もミスは許されないと腹をくくって投げた」と、宗山に対して伝家の宝刀スライダーで3球三振。ガッツポーズで雄叫びを上げた。
アマチュア時代は先発として活躍していただけに、プロ入り直後は先発に憧れた。「そらさあ、かっこいいじゃん!注目されるのは先発やし、中継ぎは10試合抑えても1試合打たれたら叩かれる。なんでこんな頑張っているのに、一番しんどいのに、こんな言われなきゃあかんねんって思ったこともあったよね」と、振り返る。
ただ、ある人の言葉が宮西を変えた。プロ4年目。打たれてロッカーで落ち込んでいる時、当時チームメートの金子誠(現ロッテ戦略コーチ)に「きれいに投げようとするなよ。お前の良いところは散らばって空振りを取れるところ。打たれるのもそこだし抑えるのも荒れ球。そういうところを野手は後ろから見ているから。ピッチャーが縮こまるな」と、声を掛けられた。
「そこからだよね。分かってくれる人が近くにおればいい。何を人の目を気にするねん」と宮西。中継ぎで生きると覚悟を決め、たどり着いたプロ野球記録。きょう11日の宮西夫人の一日早い誕生日プレゼントにもなった。(清藤 駿太)