【気になるボートレーサー「ピットUP」】吉田一心 養成所チャンプがゼロから鍛え直して水神祭 夢はGP
2025年5月10日(土)4時30分 スポーツニッポン
幼少期のころから祖父、祖母に連れられボートレース住之江へ。この時から吉田一心(21=大阪)はボートレーサーになる運命だったのかもしれない。
「祖父や祖母は選手になれと言っていなかったけど、見るのが好きだったし、憧れはありましたね」
現実としてボートレーサーを目指したのは関西大北陽高を卒業してから。何と一発合格だ。
「父には、あまりサラリーマンにはなってほしくないと言われていた。いろいろ考えたんですが、大学(関西大)2年の秋に養成所に入りました。今の同期と一緒で良かったと思ってます」
修了記念競走では1周2マーク逆転でチャンプの座に就いた。プロの世界に入っても手応えは感じていた。しかし…。
「養成所のころは点数も取れていたし、そこそこ戦えるのではと思っていたんですが…。ターンだけでなく、レースの走り方を一からやり直さないとアカンと思いました」
考えを改めた吉田は練習、練習を繰り返した。そして迎えた4月の蒲郡一般戦2日目1R。6コースからコンマ11のトップSを決め、1周1マークは捲り差しで突き抜け、うれしい水神祭を決めた。
「ハンドルを切った時はあたふたしていたんですが、アレッ?前にいる、という感じでした。1期目から着は取れるようになったけど、なかなか勝てなくて。2期目に入って、もう(1着が)取れないと思っていたので本当に良かったです」
師匠は大阪支部屈指のペラ巧者・渋谷明憲。「いろいろ見ていただいてます。初勝利のお祝いもしてくれる予定です」
今後はどんなレーサーを目指していくのか。「もっと1着を狙うレースをしていきたい。住之江でグランプリをやることが多いので、将来はあの大歓声の中で走ってみたい」
まだレーサー人生は始まったばかり。養成所チャンプの夢はでっかい。