パワーは“MLB平均以下”でも「予測不可能」 敵打線を翻弄する菅野智之のエースぶりを米紙も感嘆「これ以上は望めない」

2025年5月11日(日)17時0分 ココカラネクスト

エース級の働きを開幕から続けている菅野。(C)Getty Images

 相手を支配する堂々たる投球は、まさにエースのそれだった。

 現地時間5月9日、敵地でのエンゼルス戦にオリオールズの菅野智之が先発登板。メジャーでは自己最長となる7回1/3(93球)を投げ、被安打3、1失点、無四球、5奪三振という圧巻のパフォーマンスを見せた。

【動画】この邪悪なスプリット!菅野がエンゼルス打線に快投を見せたシーン

 35歳の“ルーキー”は、経験に裏打ちされた技巧派な投球を披露した。この日に投じた最高球速は93.6マイル(約150.6キロ)とメジャー平均(94マイル(約151.2キロ)を下回るものだったが、菅野はスプリットとスイーパーを軸とした計6球種でエンゼルス打線を翻弄。コースを巧みに投げ分け、最後まで的を絞らせなかった。

 過去49シーズンのMLBの新人先発投手の中で、開幕8登板で防御率3.00未満、与四球率2.0未満を記録したのは、昨季の今永昇太に続いて史上二人目となった。まさに球史に残る快投を続ける菅野は、いまやオリオールズの“大黒柱”ともなりつつある。

 というのも、今季に14勝24敗と大きく負け越しているオリオールズは、投手陣が不安定さを露呈。とりわけ先発投手陣は、チーム防御率がMLB全体28位の5.48と明らかな懸念ポイントとなっている。

 そうした中でローテーションの中で唯一、防御率3.00を下回る数値(2.72)をマークしている菅野は、1年目ながら数少ない「計算ができる投手」として戦力化されているのだ。実際、地元メディアの評価は高まって

    いる。米版『Yahoo! Sports』のトロイ・ブロック記者もオリオールズの“投壊”状況を説いた記事内で、「悲惨な投手陣に暗雲が立ち込める中、トモユキ・スガノは一筋の光明となっている」と絶賛した。

     また、地元大手紙『The Baltimore Bannerは「球速変化やボールの動かし方は、非常に予測不可能で、打者を翻弄するんだ」というブランドン・ハイド監督のコメントを紹介した上で、「日本でエースとして活躍したスガノの経験は不安定な先発ローテーションの中で堅実さがあり、特別な何かを感じさせる。この日はスガノにこれ以上のことは望めなかった」と強調した。

     もはや頼みの綱と化している菅野。相手打線を惑わす投球術は米球界でも異彩を放つ。

    [文/構成:ココカラネクスト編集部]

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