【二所ノ関親方・夏場所展望】大の里 調整遅れも追い込まれて“成長”?

2025年5月11日(日)4時30分 スポーツニッポン

 体調不良で一門の連合稽古を休むなど調整遅れが心配された大の里ですが、何とか間に合った印象です。

 6日に大の里と久しぶりに相撲を取りました。10番取って私が2勝。心配はご無用とばかり、大関は圧力もあったし、隙がないくらい攻めの形も良かった。徐々に稽古量を増やしていき体も張っていました。いい調整ができていると肌で感じ取りました。

 実際に追い込んだのは2日から6日までの5日間。短期間で仕上げた印象は拭えませんが、白鵬関のように場所前の1週間でみっちり仕上げる調整法もある。大の里も自分に合っているものを探求していけばいいと思います。実際、去年の九州場所や秋場所より出来はいいと思います。アクシデントがあって追い込まれた方が成長するのでしょうか。

 初日、2日目は先場所負けている相手と組まれました。大の里は後半伸びてくるタイプとはいえ、こういう場所こそ序盤が大切になります。若元春、高安といった立ち合いがうまい相手にどれだけ自分の立ち合いができるか。私との稽古でも右上手を取って出る新機軸も見せていました。右差しだけではないという印象を植え付けるのも有効な戦術ですが、厳しい立ち合いがあってこそのオプションです。立ち合いに全神経を注ぐ。本人も十分心得ていると思います。

 休場明けの豊昇龍も結果を求められる場所になります。春巡業でも見る機会がありましたが、稽古場ではしっかりと雰囲気づくりをしていたのが印象的でした。横綱として早く賜杯を抱きたい思いは強いはず。実力的には最右翼の存在。平幕への取りこぼしがなければ、優勝争いの1番手であることは間違いありません。

 混戦になれば勢いのある若手の台頭もあります。優勝経験のある尊富士は不気味な存在ですね。安青錦は新入幕だった先場所のパフォーマンスが印象的。上位はさばきの上手な力士がそろっているものの独特のスタイルがどこまで通用するか。台風の目としても注目しています。(元横綱・稀勢の里

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