【元大関・琴風の目】“毒まんじゅう”が大の里の綱への命運を握る

2025年5月12日(月)5時0分 スポーツ報知

若元春(手前)を下し白星発進した大の里(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽夏場所初日(11日、東京・両国国技館)

 3月の春場所覇者で初めて綱取りに挑む大関・大の里(24)=二所ノ関=が白星発進した。先場所敗れた東前頭筆頭・若元春(31)=荒汐=にもろ手から得意の右を差して寄り切り。2017年の稀勢の里以来、約8年ぶりとなる日本出身横綱の誕生へ、完勝で第一歩を踏み出した。

  * * *

 私の勘違いだった。一瞬、若元春が立ち遅れたと思ったが、映像で確認すると大の里のもろ手突きが速かった。迷いもなかった。もろ手で若元春の体を起こし、右を差しての電車道。文句なしの内容だ。

 大の里の綱取りで盛り上がっている。初日の内容を見ると期待に胸を膨らませてしまうが、私の予想は60%の確率だ。15日間という数字がまさに妙なのである。長い戦いの中、必ず気持ちが乗らない取組もあるし、幕内上位には押し相撲がいて、勢いのある若手も出てきた。引かないで我慢しながら白星を積み重ねることができるかがポイントだ。

 苦し紛れに引いての黒星を、私はこのコラムで“毒まんじゅう”と表現している。けがにもつながるし、尾を引く負けになる可能性も高い。どの力士も楽して勝ちたいと思うものだ。我慢できるかどうか。“毒まんじゅう”が命運を握ることになる。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

スポーツ報知

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