【ヤクルト】村上宗隆が“清原超え”の史上最年少200号! 1軍定着前に口にしていた偉大な記録を生む“原動力”とは

2024年5月16日(木)6時30分 ココカラネクスト

村上宗隆が史上最年少200号本塁打を達成した(C)産経新聞社

 ヤクルトの村上宗隆が、5月15日の広島戦(松山)に「4番・三塁」で先発出場。1-0で迎えた8回二死から右中間席へ9号アーチを放ち、節目の通算200号本塁打を達成した。清原和博の24歳10か月を上回る24歳3か月での到達は、史上最年少記録となった。

【動画】ルーキーにも貴重な援護点!村上宗隆が史上最年少200号本塁打を達成

 5月4日の中日戦(神宮)で8号2ランを放ち、今季初の3戦連発をマークしたあとは7試合一発が出なかったが、松山の地でメモリアル弾を決めると、打った瞬間に確信。雄たけびを上げた。

 「まず勝てたのでホッとしています」。試合後のヒーローインタビュー、村上らしい第一声だった。この日はドラフト2位ルーキーの松本健吾がプロ初登板・初先発で初完封という快投を演じた。新人がデビュー戦で無四球、2桁奪三振、完封というのは史上初となる快挙だった。

 松本健と同学年の村上は「テンポ良くどんどん相手の打者を抑えてましたし、僕らも何とか点数で援護したかったので、8回でちょっと遅かったんですけど、援護できて良かった」と、1点差の終盤8回、新人右腕に貴重な一発をプレゼントとした。

 レジェンド超えの記録には「あまりピンときてないですけど、まだまだ通過点なので、もっともっと打てるように頑張ります」と、いつもの村上らしい言葉が並んだ。

 これまでも、史上最年少100号やプロ野球史上初の5打席連続本塁打、日本選手最多となるシーズン56号など数々の偉大な記録を打ち立ててきた。そんな村上の原動力とは何なのか。

 村上がまだ1軍に定着する前のプロ1年目に「ホームランへのこだわりもありますが、打率も残したい」と抱負を口にし、「チームに貢献するには、やはり打点を挙げることだと思う」と、力強く語っていた。

 18歳当時から意識していた打撃3部門へのこだわり。そして、「チームに貢献することが一番だと思っています。チームが勝つことに協力したい」と、1軍でチームのために活躍する自身の姿を思い描いていた。

 やがて、誰もが認める「4番」に成長し、2021年にリーグ優勝と日本一に貢献。個人としても大きな高みを目指し、2022年には史上最年少で「三冠王」に輝いた。

 2軍監督時代から村上を知る髙津臣吾監督は「負けず嫌いなのは間違いない。どんな球でもどんなピッチャーでも打ちたいと思っていますし、誰よりも遠くへ飛ばして誰よりもホームランを打ちたいと思っているのは確かですね」と、村上の向上心と負けん気の強さを認めていた。

 「チームの4番がしっかり打たないと、なかなかいい順位にいきませんし、責任は僕にある」と、チームが昨季5位に低迷した責任を背負い込んだこともあった。周囲の期待値が高くなるほど、その重圧とも戦ってきた。

 チームの勝利とともに、打者としてもさらに大きな自分を追い求めるその先に、輝かしい記録が生まれる。背番号「55」を突き動かす原動力は、スタンドに描く放物線よりも果てしない。

[文:別府勉]

ココカラネクスト

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