WS制覇の功労者を19億円で見切っても…米記者が指摘した“最強の9番打者”の飛躍「ドジャースに選択肢はなかった」
2025年5月19日(月)16時0分 ココカラネクスト

レギュラーとして地位を確固たるものにしつつあるキム・ヘソン。(C)Getty Images
ふたたびベテランを見切った。現地時間5月18日にドジャースは、負傷者リスト(IL)に入っていたトミー・エドマンのメジャー昇格に伴って、在籍10年目のクリス・テイラーをリリースしたと発表した。
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現在34歳のテイラーは、2016年途中にマリナーズからドジャースに加入。内外野を幅広く守るユーティリティー性と打撃のパンチ力もあって17〜23年はレギュラーとして活躍。20年と24年のワールドシリーズ制覇にも貢献したベテランだった。
しかし、ここ2年は計115試合で打率.202、4本塁打、OPS.580、WAR-0.6と成績が低迷。大型補強を展開するチームにあって活躍の場は限られていった。
今月15日に35歳の生え抜き捕手オースティン・バーンズをDFA(事実上の戦力外)としていたドジャース。テイラーの自由契約には、今季年俸1300万ドル(約18億9700万円)のうち、残りおよそ930万ドル(約13億5000万円)の支払い義務が残る。さらに来季に関しても400万ドル(約5億8100万円)のバイアウトが付帯され、計1330万ドル(約19億4000万円)の支払う必要がある。それでも“銀河系軍団”は、チームの活性化のためにベテランを切った。
もっとも、テイラーが自由契約となった背景は、エドマンの昇格だけではない。メジャー昇格を果たして以来、目覚ましい活躍を続けるキム・ヘソンの成長も決断のポイントになったと言えよう。
エドマンやテオスカー・ヘルナンデスの故障離脱に伴って、今月3日にメジャー昇格が決まったキム・ヘソン。オープン戦で打率.207と低迷し、開幕前にマイナーでの調整を宣告されていた26歳だが、昇格後は快進撃を披露。現地時間5月18日のエンゼルス戦までに14試合に出場して打率.452、出塁率.485、OPS1.066のハイアベレージを叩き出し、レギュラーポジションを獲得している。
不動の1番に君臨する大谷翔平へと繋ぐ、「最強の9番」として声価を高まっている。実際、現地メディアの評価も上々だ。
ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は「キム・ヘソンは(メジャーロースターに)短期滞在する予定だった。ところが、彼はこう言った」として先述の成績を列挙。その上で「9番打者としてだけ見れば、彼の成績は打率.625、OPS1.542だ。ドジャースには彼をMLBに留める以外の選択肢はなかった」とテイラーやバーンズのDFAに対する見解を記した。
し烈な競争下で存在感を示したキム・ヘソン。ドジャースにベテランの“戦力外”を決意させたのは、間違いなく彼の成長が影響している。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]