ドジャース・大谷 単独トップ17号!ミスター・メイだ!“6月男”が5月初10発
2025年5月21日(水)1時30分 スポーツニッポン
◇ナ・リーグ ドジャース5—9ダイヤモンドバックス(2025年5月19日 ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手(30)は19日(日本時間20日)、ダイヤモンドバックス戦の6回に3試合ぶりでメジャー単独トップとなる17号ソロを放った。自身初の5月10本塁打で、21打点、OPS1・286も両リーグ月間トップと「ミスター・メイ」ぶりを発揮。投手陣が崩れ今季初の4連敗も、得意の6月を前にメジャー8年目で最高の滑り出しが続いている。
左翼手は打球を追うことすらしなかった。大谷が「調子のバロメーター」と表現する逆方向への一発。1—7の6回、軸足に重心を残し、外角から入ってきた右腕ファットのスイーパーをはじき返した。飛距離389フィート(約119メートル)。完璧なアーチが左翼席に吸い込まれた。
試合中にフィリーズのシュワバーが、ロッキーズ戦で通算300号となる16号。両リーグトップで並ばれたが、17号ソロですぐに単独トップに立った。これで5月は自身初の10本塁打で、月間2桁本塁打は通算6度目。自己最多の54本塁打した昨季を超え、今季最も高いシーズン57本塁打ペースに上げた。
好調ぶりを裏付けるのが逆方向だ。4月までの7本塁打中、中堅から左方向は3発。5月は直近4本塁打連続で、10本中6本がセンターから左だ。自身のボブルヘッドデーで今季初の2打席連発だった15日は14号を左中間、15号を中堅左へ。「低い弾道でしっかりと伸びるような打球だったので、良いバットの出方だったと思います」と言ったようにバットのヘッドを遅らせ、球筋の内側から捉える好調を示すスイングが続く。
大リーグではかつて、ヤンキースの故ジョージ・スタインブレナー・オーナーが、81年にデーブ・ウィンフィールドの勝負弱さをやゆした「5月しか打たない」という意味での「ミスター・メイ」が有名だった。だが、大谷は違う。17試合で10本塁打、21打点、OPS1・286などが大リーグ全体で月間トップ。過去2度、月間MVPを獲得した得意の6月を前に、5月は7・1打数で1本塁打という驚異の量産態勢で正真正銘の「ミスター・メイ」となった。
チームは不安な投手陣が11安打9失点で、4試合計32失点で今季ワーストの4連敗。だが、大谷には自身の月間最多だった23年6月の15本塁打更新に期待がかかる。5月はア・リーグ3冠王のジャッジと“直接対決”する30日(日本時間31日)からのヤンキース戦を含めて残り10試合。バリー・ボンズがシーズン歴代最多73本塁打をマークした01年に放った5月歴代最多17発だって夢じゃない。(奥田 秀樹通信員)
≪月間2桁本塁打は6度目≫大谷が17号で5月10本塁打。月間2桁本塁打は昨年9・10月に続き6度目だ。大リーグの月間最多本塁打はサミー・ソーサ(カブス)が98年6月にマークした20本。次いで37年8月のルディ・ヨーク(タイガース)と、17年8月のスタントン(マーリンズ=現ヤンキース)の18本塁打で、17本塁打が01年5月のバリー・ボンズ(ジャイアンツ)など6度ある。ちなみにプロ野球の月間最多本塁打は、13年8月のバレンティン(ヤクルト)の18本塁打。