27連勝中「令和最強」の横浜はなぜカウント途中から継投するのか...「村田スペシャル」3つの根拠

2025年5月21日(水)16時33分 スポーツニッポン

 ◇春季高校野球関東大会準々決勝 横浜3—2浦和学院(2025年5月21日 ノーブルホーム水戸)

 昨秋の明治神宮大会、今春の選抜で優勝した横浜(神奈川)が3—2で浦和学院に競り勝ち、準決勝進出を果たした。

 これで新チーム始動から公式戦は負けなしの27連勝となった。村田浩明監督は「どちらが勝ってもおかしくなかった。夏に甲子園で(浦和学院に)当たれるよう本当に頑張らないといけない。2番手以降の選手たちがすごくいい準備をしてくれているので全員野球が少しずつですけれども、形になってきています」と振り返った。

 カウントの途中でも迷うことなく継投を決断する「村田スペシャル」で難敵・浦和学院を撃破した。まずは1点差に迫られた8回。なお2死三塁から1番・玉木のカウント1ボール、1ストライクのタイミングで継投を決断した。先発の最速152キロ右腕・織田翔希(2年)から最速146キロ左腕・片山大輔(3年)にスイッチ。片山はスライダーで空振り三振を奪い、ピンチを脱した。

 粘る浦和学院は9回に再登板した右腕・織田から1点を奪い、再び1点差に迫った。なお1死二塁でカウント1ボール、2ストライクになったところで、背番号11の右腕・山脇悠陽(3年)に継投。ここで三振を奪って2死とすると、さらに次打者のカウント1ボール、1ストライクで最速152キロ右腕・池田聖摩(2年)が遊撃のポジションからマウンドに駆けた。1ボール、2ストライクからフォークで右飛に仕留め、熱戦に終止符を打った。

 カウント途中の継投が奏功した。投手には投げづらさがあるカウント途中の交代には明確な狙いがあった。村田監督は投手目線ではなく、対戦する打者目線で有効性があると明かした。

 「浦和学院さんの打線はすごい。あの対応力はさすがでした。やっぱり(打者が)嫌なことをやっていかないとダメかなっていう試合だった。本来であれば(カウント途中で投手を)替えたくないですね」

 村田監督は横浜の選手時代は捕手でプレー。打者として、カウントの途中で投手が交代した際の対応の難しさを知っている。だが、救援する投手としてはメンタル、配球において難しいマウンドになるはず。変則継投でも力を発揮できる理由を試合後の選手に聞いた。

 ▼8回に救援した最速146キロ左腕・片山 自分はいつでも投げる準備ができている。カウント途中から登板する練習をしています。ブルペンでは(想定して)1球目の配球をこだわっているので(変則継投は)いつも通りだと思います。

 ▼9回に遊撃から救援した最速152キロ右腕・池田 心構えが一番大きいと思います。いつでも投げられる準備ができている。そういった場面での登板は本当に自信がある。ああいう形(遊撃から)でマウンドに上がることもあるのでイニング間の送球を抜かずに投げています。自分は他の投手に比べて肩ができるのが早く、(投球練習の)5球くらいで肩ができます。

 浦和学院をほんろうした「村田スペシャル」には(1)打者目線の有効性(2)想定練習(3)池田の特性と、3つの根拠があった。公式戦27連勝目は采配で勝ち取った一戦だった。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

スポーツニッポン

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