雨の甲子園で若きG戦士ら躍動…試合前に阿部監督「みんな熱い気持ち持って」、浅野翔吾「自分に言われている気がした」
2025年5月22日(木)6時0分 読売新聞
4回1死3塁、井上の内野ゴロが野選となり生還した3塁走者・浅野(21日)=宇那木健一撮影
巨人5—4阪神(セ・リーグ=21日)——巨人は四回、浅野の適時二塁打などで4点を先行。六回はキャベッジの適時二塁打で加点した。井上は約1か月ぶりの白星。阪神は継投策が裏目で4連勝ならず。
散発5安打の完封負けから一夜明け、巨人の阿部監督はこの日の試合前のミーティングで、「みんな、熱い気持ちだけは持って」と呼びかけたという。奮い立ったのは20歳の浅野ら若い選手たち。どんどん雨脚が強くなる厳しい環境下で接戦を勝ち切る原動力となった。
指揮官の言葉を「自分に言われているような気がした」と浅野。四回無死一、二塁、外寄りのスライダーに食らいついて、左翼線へ先制打を運び、二塁の塁上で激しく手をたたいた。チームが過去7度の対戦で4敗、防御率0点台と抑えられていた天敵のビーズリーを降板に追いやった。
今月10、11日に2戦連続本塁打を放って以降、目立った仕事ができていなかった浅野のアピールは、これで終わらない。三塁に進むと、井上の遊ゴロで両腕を伸ばしながら本塁に突入。一度はタッチアウトとなったが、リプレー検証の結果、判定が覆ると、再び感情を爆発させた。
さらに続いたのが、浅野より4学年上の新1、2番コンビ。売り出し中の増田陸が左前打を放ち、4月27日以来のスタメンだった門脇が中前打で好機を広げた。吉川の右前適時打などにつながり、この回、一挙4得点が生まれた。
不振やけがを理由に多くの主力を欠く打線は、一軍での立場を確固たるものにできていない若手の名前が日替わりで並ぶ。「今がチャンス。打てなかったら終わりという気持ちで、必死に結果を出そうと思っている」と浅野。雨に、土にまみれながら躍動した若手の存在が、明日のチームの活力になる。(井上雄太)