巨人・甲斐 前代未聞の阿部監督の“代打”に困惑も「監督の気持ちに応えたい」監督代行の舞台裏も明かす
2025年5月23日(金)21時47分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 巨人5—0ヤクルト(2025年5月23日 東京D)
現役選手が史上初の“監督代行”インタビュー?!巨人が今季9度目の先発マウンドに上がった赤星優志投手(25)の快投で5月初の3連勝を飾った。赤星はプロ初の完投を完封で飾り、今季3勝目(3敗)。打っても自身初の2打点を挙げるなど投打で25歳右腕が躍動した。試合後には決勝打を放った甲斐拓也捕手(32)が阿部慎之助監督(46)に代わって勝利監督インタビューを行った。
投打に躍動した赤星がお立ち台で本拠に集結したファンから大歓声を浴びた直後だった。試合後に行われるベンチ裏での監督インタビュー。そこで超異例の光景が広がった。阿部監督がインタビュー場所に現れた後、続いて甲斐が姿を現した。すると阿部監督は「今日は赤星が素晴らしいピッチングだったんで、それをリードした甲斐くんに話を聞いた方がいいと思うんで」と話して笑顔で引き揚げた。
甲斐“監督代行”は阿部監督の“代打”指令を受けたいきさつについて「監督が今日は俺の代わりに行ってくれと言われたんで。一度断ったんですけど…連れてこられました」と苦笑い。「試合終わってからです。ハイタッチしてる時に言われたんで、何のことかなと思って…。監督どういうことですかって言ったら“俺の代わりに今日は行ってくれ”と。もう何がなんだか分からないんですけど」と困惑は止まらなかった。
史上初の、超異例の出来事に「断れないというか、断ったんですよ」と繰り返した甲斐は、初めての体験に「いやまあ、経験…どうなんですかね。ただ、監督もね、そういった、こう…(監督の)思いというところに、僕たち選手はグランド上で応えたいというふうに思ってやってるんで。監督は本当に僕たちを信用してね、グラウンドに送り出してくれてると思うんで。本当にその監督の思いに応えたいというふうに思うだけですけど。監督は監督で本当に物凄くプレッシャーを感じながらやってると思いますけど。その気持ちに応えたいなと思います」と阿部監督の粋な計らいに素直な思いを語った。
それでも、プロ初完封を飾った赤星に対して「もっともっと彼には上を目指してやっていってほしいので、本当に満足することはないと思いますけど、結果的にね、本当ににゼロでよく投げてくれたと思いますし、試合をつくって最後まで投げてくれて、中継ぎ凄くこう投げていく中で、先発がそういったふうにやってくれるっていうのは、ピッチャー陣も助かると思いますし、それは本当に凄くくこう…凄いチームとしても助かったと思う」と語る姿は、“監督代行”そのものだった。